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ビューティフル・ボーイ (2018)

BEAUTIFUL BOY

監督
フェリックス・ヴァン・ヒュルーニンゲン
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3.46 / 評価:357件

解説

『オーバー・ザ・ブルースカイ』などのフェリックス・ヴァン・ヒュルーニンゲンが監督を務めた愛と再生の物語。人気ドラマの脚本家の実話に基づいて、依存症の息子とその家族が歩んだ苦難の日々を描く。『フォックスキャッチャー』などのスティーヴ・カレルと、『君の名前で僕を呼んで』で第90回アカデミー賞主演男優賞にノミネートされたティモシー・シャラメが親子役で共演。ブラッド・ピットがプロデュースを担当している。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

フリーで音楽ライターをしているデヴィッド(スティーヴ・カレル)は、カウンセラーの前で真剣に息子のニック(ティモシー・シャラメ)の話を始める。彼は、さまざまなドラッグを使い依存症に陥った息子を何とかして救いたいと願っていた。1年前、デヴィッドは丸2日消息不明のニックを捜していて、元妻のヴィッキー(エイミー・ライアン)にも電話する。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2018 AMAZON CONTENT SERVICES LLC.
(C)2018 AMAZON CONTENT SERVICES LLC.

「ビューティフル・ボーイ」信じ、裏切られ、落胆を繰り返す。実体験だからこそのもがきと苦しみのリアル

 「君の名前で僕を呼んで」のティモシー・シャラメ主演。そのセンシティブな演技と存在感は、決して期待を裏切らない。

 デヴィッド(スティーヴ・カレル)の息子ニック(ティモシー・シャラメ)は、成績優秀でスポーツも万能。父子の仲も良い“理想的な息子”だった。しかし、いまニックは深刻なドラッグ依存に陥っていた。「あんなに美しく、可愛かった息子がなぜ?」。デヴィッドは息子をなんとか救おうとするのだが……。

 のちにNetflixの人気ドラマ「13の理由」の脚本家となったニックの実体験を描く。主に父親の視点から描かれていることが大きな特徴で、それもそのはず、ニックと著名なライターである父・デヴィッドがそれぞれに書いた回顧録がベースなのだ。「もうドラッグはやらない」と言っては、同じ過ちを繰り返す息子にどう手を差し伸べればいいのか。本人の苦しみと同時に、親のもがきと苦しみのリアルは群を抜いている。

 息子役がシャラメであることは重要だ。ボロボロに堕ちていきながらも、彼はやはり美しい。外見だけでなく、魂の底にある「純粋な美しさ」を感じさせるから、観客も父親と一緒になって彼の再生を信じ、裏切られ、落胆を繰り返す。苦しみは簡単に終わらない。劇的な解決も劇中では訪れない。ただ、彼がいま状況を抜け出し、成功しているという事実だけが救いだ。父親役のスティーヴ・カレルも実にいい。これまでにないほど抑制を効かせた芝居が心に沁みる。

 それにしても「問題は“ドラッグ”じゃない。ドラッグは(抱えている)“問題”から逃げる手段なんだ」というセリフにハッとさせられる。アルコールやそのほかの依存症も、根っこは同じだろう。「問題」に気づき、向き合ったときがようやく一歩。ニックにとっての「問題」は、良き場所だったはずの「家庭」にもあった。解決法は結局、当事者にしかないが、周囲が辛抱強く待てば、いつか本人に必ず届く。だってこれは実話なのだから。

 どんな親子にも、この映画は必要なのかもしれない。(中村千晶)

映画.com(外部リンク)

2019年4月11日 更新

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