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ROMA/ローマ (2018)

ROMA

監督
アルフォンソ・キュアロン
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  • みたログ 838

3.66 / 評価:581件

ただそこにあり、感じ取る

  • Shoko さん
  • 2021年7月9日 0時46分
  • 閲覧数 132
  • 役立ち度 5
    • 総合評価
    • ★★★★★

アカデミー賞のノミネート作は授賞式前にいつもできるだけ見ておこうと思うのだけど、ネットフリックス作品なので見られなくて残念だった本作。(オーストラリア在住です。)
これからはネットフリックスに加入しないとダメかも、とその時はじめて思ったのだけど、あれから2年経ち、やっと私もネットフリックスで本作鑑賞することができました。

この年のアカデミーの最多ノミネートのうえ、実際に監督賞、外国語映画賞、撮影賞を受賞した作品とあって、期待はとても高かったのだけど、それはまったく裏切られることなく、至福の時間を過ごすことができました。

この映画はメキシコシティのローマ地区に育ったアルフォンソ・キュアロン監督自身の子供の時代の自伝的作品だったのですね。
そしてそれを住み込みの家政婦として子供たちの世話からなにから全てを行なっていた、住み込みの家政婦、クレオの視点から描いています。

クレオを演じたヤリッツァ・アパリシオは先住民族の女性で幼稚園の先生だそう。
どおりで、彼女が子供たちをいつくしむ姿は本物でした。
他の役者さんたちもできるだけその職業についている人を起用したそうで、病院で赤ちゃんにCPRをしているところなど確かにとてもリアルでした。
そしてその当時の自宅を再現するために70%の家具をメキシコにいる親戚から集めたとも。

自分の子供時代をこのように蘇らせることができるなんて、映画っていいなぁ。

1970年頃のメキシコ社会や経済的不平等が描かれていますが、監督は「無理やり見せようとはしていない。それらはただそこにあり、感じ取るかどうかは見る側次第だ」と語っているそう。
そしてその姿勢はとても成功していると思いました。

はじめのうち、クレオが子供と一緒に寝そべって死んだフリをして、「死んでいるのもいいね」というシーンから、クライマックスで自分は泳げないのに二人の子供たちが高波で溺れそうになるのを命がけで助けるシーン。
赤ちゃんを死産したあと、ずっとものごとを静かに受け入れているようにみえた彼女が、子供は欲しくなかったのだと辛い気持ちを吐露するシーン。
そして当時の虐殺事件など、たくさんの死があり、生きることへの想いがある。

素晴らしい構図と美しい白黒の映像で静かに語られる死と再生と愛の物語です。
みんなで海岸で抱き合う構図はまるでミケランジェロのピエタのようでした。

娯楽作品ではなく、映像芸術の世界なので、向き不向きはあると思いますが、素晴らしい作品だと思いました。
できれば劇場でみたかったです。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 勇敢
  • 知的
  • 切ない
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