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キャプテン・マーベル (2019)

CAPTAIN MARVEL

監督
アンナ・ボーデン
ライアン・フレック
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3.94 / 評価:3,704件

解説

『ルーム』などのブリー・ラーソンをヒロインに迎え、1990年代の地球を舞台に描くアクション。驚異的な力を持つ主人公が、失った記憶をめぐる戦いに挑む。『コールド マウンテン』などのジュード・ロウをはじめ、『アベンジャーズ』シリーズなどのサミュエル・L・ジャクソンらが共演。『なんだかおかしな物語』などで組んできたアンナ・ボーデンとライアン・フレックが監督を務める。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

1995年、ロサンゼルスのビデオショップに、突然正体不明の女性(ブリー・ラーソン)が空から降ってくる。彼女には驚くべきパワーが備わっていたが、全く覚えていない“記憶”がフラッシュバックすることが悩みだった。その記憶にはある秘密が隠されており、それを狙う敵がいた。彼女は、後にアベンジャーズを結成するニック・フューリーと共に戦いに身を投じることになる。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2019 MARVEL
(C)2019 MARVEL

「キャプテン・マーベル」女性スーパーヒーローの確立と1995年の郷愁を、スタン・リーへの感謝と共に

 MCU初の女性監督による女性スーパーヒーローの物語は、その共同体制からおのずと先行作「ワンダーウーマン」(17)の影がチラついてくる。だが「力ある者がその自覚を人々にうながされていく」のがDC流ならば、マーベルの理念である「誰でもスーパーヒーローになれる」を体現するのが今回の「キャプテン・マーベル」といえるだろう。もちろん「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」(18)の終幕において、ニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)が最後に希望を託した彼女の「切り札」としての実力も大いに気になるところだ。しかし「ブラックパンサー」(18)から続く多様性のさらなる証明のために、MCUは女性のエンパワーメントを高らかに謳い上げていく。

 擬態能力を持つスクラル人を、敵対するクリー人の部隊が一掃しようとしている銀河宇宙。その一員であるヴァース(ブリー・ラーソン)は任務を遂行中、1995年の地球へと誤送されてしまう。そこで彼女は自分の前身が米空軍テストパイロットのキャロル・ダンヴァースであることを知り、戦いと同時に「私は何者なのか?」を模索していく。ともすれば受動的な鑑賞になりがちな近年のアクション映画だが、擬態と記憶が物語の仕掛けとして活き、錯時的な構成がパズルのピースのごとく、能動的な作りで我々を挑発する。

 1995年というレトロな設定も、日本の観客にとってレンタルビデオ店“ブロックバスター”は馴染みが薄いかもしれないが、Windows95のブラウザ画面への郷愁は共有できるだろう。だが郷愁を超えて驚異的なのは、デジタルで若く加工されたサミュエル・L・ジャクソンだ。まだ出オチ感も控えめでブレイクの渦中にあった頃の90年代サミュエルが、終始ラーソンと違和感なく芝居をするのだ。その高い精度と完成度たるや、正直CGキャラクターのひとつの到達点である「アリータ バトル・エンジェル」以上に衝撃をもたらす。

 時はまだアベンジャーズどころか、S.H.I.E.L.Dもスーパーヒーローに一人としてアクセスしていない。しかし何者でもない一介エージェントのフューリーが、初遭遇となる地球外超人のヴァースと行動を共にすることで、後のMCUへの布石が敷かれていく。そして自分探しを経てキャプテン・マーベルへとたどり着くブリー・ラーソンのパフォーマンスも、ハリウッドの商業大作でも萎縮せず存在感を放つことを証明している。それぞれのアイデンティティの確立が印象に強く残る作品だ。

 そしてありがとう、スタン。映画の冒頭から我々は、この壮大なフランチャイズがどこから来て、どこへいくのかを万感の思いで再確認することになる。(尾崎一男)

映画.com(外部リンク)

2019年3月14日 更新

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