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22年目の記憶
2019年1月5日公開

22年目の記憶

MY DICTATOR

1282019年1月5日公開

illbeback1229

5.0

ネタバレ本作はサスペンスかと思ったが…家族ドラマ

 1972年に初の南北共同声明が発表された事により、韓国では初めての南北首脳会談に備えて金日成との会談のシミュレーションを行う為に無名の売れない役者のソル・ギョングが演じるソングンをオーディションで抜擢し彼を金日成になりきるよう厳しい訓練を受けさせるが、やがてソングンは自分が金日成と信じ込んでしまうという物語。  本作は2014年に製作されたが約5年経過してようやく日本で上映されたのは、やはり本作が金日成を主としていたからであろう。  また、1972年の南北共同声明は実際にあったがそれ以外はオリジナルストーリーとして画かれている。  鑑賞前の本作の印象としてはソル・ギョング演じるソングンが如何にして自分を演技ではなく金日成本人と自覚し、ソル・ギョングが如何にして彼を忠実に演じたかがメインとなるサスペンスだと思っていた。  しかし、鑑賞してみるとこれが想像以上に重くなく前半なんて本当は笑ってはいけないのだろうが、金日成になりきる訓練のあたりなんて彼のモノマネをしているように見えたのかクスッと笑ってしまっている観客も結構いた。  そして本作は金日成になりきるだけの話ではなく急に中身や外見が金日成になってしまった父と息子の22年に渡る家族ドラマも加わっているところだ。  息子を演じているパク・ヘイルも父から数年間離れていて、借金を返す為に父のところへ帰るが、心のどこかでは元の父親に戻って欲しいと願っているところも観客に情をもたらす。  そこにある事がキッカケで元のソングンが徐々に戻るようになり、最後に息子に金日成そのものではなく、「役者」として金日成を演じる姿を見せようとするところは心打たれてしまった。  やはり、韓国のロバート・デ・ニーロと呼ばれるソル・ギョングだけあって外観的に金日成になる為に特殊メイクも入っているが体重もある程度増やしたと思われる役者魂も相変わらずだし、何より金日成を相当研究した事が容易に騒動できる素晴らしい演技も凄く、それを観る為だけに劇場に行く価値がある作品だった。

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