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ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ (2018)

地球最后的夜晩/LONG DAY'S JOURNEY INTO NIGHT

監督
ビー・ガン
  • みたいムービー 47
  • みたログ 59

3.51 / 評価:43件

記憶が脳を旅するとき、時間軸は存在しない

  • dr.hawk さん
  • 2020年3月18日 20時19分
  • 閲覧数 609
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

2020.3.12 字幕 シネリーブル梅田
2020.3.18 字幕 京都みなみ会館


2018年の中国映画
父の葬儀のために故郷へ帰ろうとする男を描いたヒューマンドラマ
監督&脚本はビー・ガン
原題は『地球最后的夜晩』、英題は『Long Day‘s Journey into Night』


物語は父の死によって故郷・凱里へ戻ろうとするルオ・ホンウ(ホアン・ジュエ)が描かれて始まる

気怠い暑さの中、半裸で気を失うように眠っていたルオ

やがて12年前の出来事を赤裸々に思い出していく


ルオが凱里を離れることになったきっかけは幼馴染の白猫(リー・ホンチー、幼少期:ルオ・フェイヤン)が殺されたことだった

白猫から預かったリンゴをズオ・ホンユェン(チェン・ヨンジュン)に届けるはずだったが忘れていて腐らせてしまう

それによって白猫は始末されてしまった

リンゴの箱の底には拳銃が忍ばせてあり、それが白猫の「命」だったのだろう

そんな思い出に浸っていると、ふと「ある女」のことが頭を支配した

有名女優と同じ名前ワン・チーウェン(タン・ウェイ)と名乗った女性

ルオの心は彼女で溺れ、そして行方を追う旅に出掛けることになった


物語の前半は朽ち果てた凱里を彷徨うルオが描かれ、後半はルオの記憶を辿る旅につきあうことになる

取り壊される建物に雨が打ちつける中、ルオはコンサートが始まる前の時間潰しに映画館へと入る

そしてそこで3Dメガネを掛けるところでタイトルコールが現れるのである

ゆえに後半部分が本編でそれまでは導入というスタンスになる


物語はほぼ二部構成で前半で描いていたものは「自分の記憶との乖離」である

そして後半に描かれるのは「現実と時間によって歪んだ記憶」と「それを補完する妄想」が入り混じったものとなっている

劇中の言葉に「映画と記憶の違い」が語られるのだが、虚構である映画とは違い全編体験ベースのはずの記憶のどこかに虚構が混じっている

それは概ね「願望」のようにも思え、「あれは記憶だったのか、それとも夢だったのか」が曖昧になるのである

この映画ではその曖昧さを映像化していると言える


ちなみに冒頭の寝起きのシーンからモノローグが被さり車が凱里に向かうシーンが描かれるのだが、記憶違いでなければ「明確にルオが部屋を出て故郷に向かった」とわかるシーンはなかったように思う

ゆえにひょっとしたら前半も夢あるいは記憶の可能性も否定できない

前半部分でもほぼ廃墟となった町が描かれるのだが、そこでコンサートが開かれるとか映画館だけが普通に営業しているとか不思議な点は多かった

そこに回想が入り乱れてくるので、ひょっとしたら前半も「寝起きの際に見る夢」みたいなもののように思えたのである


原題が『地球最后』となっていて、これを「涯て」という副題で補完しているのだが、世紀末で終わらなかった世界を憂いているセリフもあるように、凱里は死ぬまで帰りたくない場所だったように思えた

あるいはそこに帰ることはルオにとっては「人生の最後」を意味していて、それならば「最後には良い夢を見よう」と後半部分の記憶の捏造がなされたようにも感じてくるのである


映画は最終的にはワン(カイ・シェン)とルオのキスシーンで結ばれ部屋が回転して終わるのだが、現実のシーンに戻ったという表現はない

もしかしたらその回転は死を意味していて、冒頭のシーンの不可解さを考えれば「全編走馬灯」なんて可能性も考えてしまった

ここまで深読みする必要はないのだが、2回見てもよくわからんところが多すぎる映画だったのは間違いない

配信ないしソフト化で停止や巻き戻しをしながら具に観ていけばまた違った感覚を憶えるのかも知れません


いずれにせよ、この世界で最後に見る夢である後半部分は様々な解釈ができる

そしてその対称となる前半はタイトルコールの真逆の意味である可能性もある

虚構という言葉が後半を意味するならば前半は現実であるはずだが、それすらも「記憶」であるならば(モノローグが多かった)前半は対を為すと考えて「白昼夢」だったのかもしれない

解釈が混同しているレビューゆえにあくまでも個人的な見解だと念のために書き記しておきます

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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