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トイ・ストーリー4 (2019)

TOY STORY 4

監督
ジョシュ・クーリー
  • みたいムービー 1,123
  • みたログ 6,575

3.25 / 評価:5,283件

これがなぜ最高の結末なんだと思う?

  • buffalo_mix さん
  • 2019年8月14日 20時36分
  • 閲覧数 2061
  • 役立ち度 38
    • 総合評価
    • ★★★★★

これは「トイ・ストーリー4は最高!」と言うスタンスのレビューですが、
あらかじめ言っておくとこの映画に否定的な人たちは多くて当然だと思います。

なぜなら1~3は、役目あるおもちゃたちのお話でしたが、
4は役割を終えたおもちゃの話だからです。
今作だけウッディの立場が違うのです。
だから1~3と同じ物差しでこの映画を見てしまうと、絶対に評価が低くなってしまうわけです。
でもそれは悪いことではありません。
ぶっちゃけ言うとこの映画は「おもちゃはいずれ必ず役割を終え不要になる宿命を持っている」という悲しい事実を直視した映画なのですが、そんなこと考えたくない、見たくないヒトが大半なのではないでしょうか。
誰もがかつて遊んだおもちゃを捨てて、彼らに悲しい思いをさせてきた。トイ・ストーリーのような夢あふれる世界観ならなおさら、飽きたら捨てる人間の加害性が浮き彫りになってしまうのです。
こんな不都合な真実を受け止めたがるヒトは多くないでしょう。
だからこの映画を好きになれない人はいて当然なのです。

さて、ではこれを最高!と言う人達はどんな連中なのでしょうか。
それは「人間はおもちゃを酷い目にあわせるものだという自覚」がある人間でしょう。

役目を与えられたおもちゃの存在に大きな夢(自我を持ち人間の見てないところで暗躍している)を持たせた1~3に対し、
役目を剥奪されたおもちゃの存在に大きな夢(おもちゃが精神的に自立し、人間のもとを去ってゆく)を与えたのが今作です。

考えてもみてください。
おもちゃは飽きれば、壊れれば捨てられます。
まだ遊んで欲しいと願っているのに、人間の気分一つで焼かれて溶けるおもちゃの末路は悲劇的で、想像したくありません。
しかし彼らには自我があって、人間に見向きもされなくなったら勝手に旅立ち、かつて恋い焦がれた恋人や友人と楽しく暮らしていくんだとしたら?
こんなに夢のあることはない。

人間が自立したら役目を終えて破壊されるおもちゃ…というリアルではなく、
人間と共に成長し自立したらみずからも独り立ちするおもちゃ…というドリームをこの映画は実現したのです。
おもちゃが自我を持つトイ・ストーリー世界において、この設定の救済力の高さは語るまでもないでしょう。

この映画でウッディは「役目を終えかけているおもちゃ」であり、
「役目を与えられたおもちゃ」であるフォーキーと
「役目を終えたおもちゃ」であるボー・ビープ一味の
中間に位置する存在…仲介役です(極端な両者の対比は見事でした)。
本来つながることなのない彼らがウッディの導きで出会ったとき、
もうひとりの物語があるキャラクター
「役目を与えられたことがないおもちゃ」ギャビー・ギャビーを交えて
“おもちゃは役目を終えれば捨てられるもの”という現実に直面するのです。

そして薄々自覚しつつも、ついにその現実を受け入れたウッディの精神は自立して…
というこの映画。

おもちゃを選り好みし、遊び倒し、壊し、捨ててきた我々にこそ必要なトイ・ストーリーなのです。

最初は「これ…すごく面白いんだけどトイ・ストーリーでやる必要はあったか?
3までと精神性が違いすぎて、受け入れられない人ぜったい多いだろうな」と思ったものですが、
1~3でおもちゃとしての生き様をまっとうしてきた彼らでやるからこそ大きく意味が増す映画だなと考え直しやはり大好きな一本になりました。

おもちゃへの愛着を再確認し、最近触ってないあの玩具と久々に遊ぼうかな、と思わせてくれた1,2。
成長してもおもちゃを愛し、継承するという選択肢を提示した3。
そして、それでもどうしてもいつか必要なくなって廃棄されるおもちゃの宿命…それを決めるのは人間の気分一つという酷い現実すらも許容してもなおハッピーな結末を提示した4。

不要な作品は一つとしてありません。
おもちゃの生涯の究極を描いたこの作品は、いずれ世間から再評価されるはずです。

詳細評価

物語
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