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ドント・ウォーリー (2018)

DON'T WORRY, HE WON'T GET FAR ON FOOT

監督
ガス・ヴァン・サント
  • みたいムービー 142
  • みたログ 290

3.49 / 評価:196件

老子のアメリカ流解釈は

  • bakeneko さん
  • 2019年5月8日 13時01分
  • 閲覧数 755
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

アメリカの異色漫画作家:ジョン・キャラハンの同名エッセイをガス・バン・サント監督が脚色して映画化したもので、エンドタイトルの“special thanks to ロビン・ウィリアムズ”の謝辞にある様に「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」の頃からロビン・ウィリアムズが映像化したがっていた企画の念願の実写化であります。

元アルコール中毒の塗装工で、交通事故で下半身麻痺してから風刺漫画化としてデビューした:ジョン・キャラハン(ホアキン・フェニックス)の半生を、時間を自在に交錯させながら活写してゆく“ヒューマンドラマ”の佳作で、主人公が描いた漫画も物語に効果的に挟み込まれてゆきます。
ポール・ジアマッティが実在の漫画家:ハービー・ピーカーを好演した「アメリカン・スプレンダー」と同様に、主演のホアキン・フェニックスの存在感が光る作品ですが、珍しく落ち着いた役のジャック・ブラックや、物語のミューズとなっている:ルーニー・マーラを始めとした共演者も好演しています(アル中仲間のウド・キアの健在も嬉しい!)。
突然体が不自由になった人間の戸惑いと再起を描いて、「ジョニーは戦場に行った」、「潜水服は蝶の夢を見る」、「海を飛ぶ夢」、「ブレス しあわせの呼吸」等と同様の主人公の再起を見つめる作品ですが、
精神を病んだ主人公と彼を支援することで自身も成長してゆく先生の“友情と次のステップへの飛翔”を活写して、「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」の姉妹編的な物語とも成っています。
また、1970年代後半のアメリカの世相も再現されていて、ベトナム戦争の影響から老子やアジア的な思想がアメリカ流にアレンジされて広まっていたことも提示されています。

そして、精神を病んでいる主人公の頭の中の映像を漫画で示して「ロックス・イン・マイ・ポケッツ」の様に、過酷な状況&心象風景を風刺的に昇華させている作品でもあり、現実&願望&幻想&病徴が混濁している主人公の頭の中も解剖して提示しています(ヒロインや看護師との性的ファンタジーが現実か否か?は藪の中であります)。

冒頭の漫画から物語にすんなりと引き込まれてゆく語り口も見事な作品で、主人公の治癒と成長は、困難な状況下で生きていかなければならない私たち自身の応援歌ともなっていますよ!

ねたばれ?
1、 車椅子での疾走場面を始めとして、本作って「Mommy/マミー」を始めとしたグザヴィエ・ドラン作品の影響が大きいと思うんですけど…。
2、 字幕屋さんは訳していませんが、エンドタイトルに掛かる歌“”Texas When You Go“♪は、主人公のジョン・キャラハンの作詞であります(一人で旅立った少年の孤独な心境を歌って、映画の内容と共鳴しています)。
3、主人公の部屋に、足が悪かった画家:アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックの肖像が!(知らない方は「赤い風車」を観ましょう!)

詳細評価

物語
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