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上映中

天気の子 (2019)

WEATHERING WITH YOU

監督
新海誠
  • みたいムービー 2,655
  • みたログ 1.8万

3.70 / 評価:14801件

君のいない晴れなんか

  • Masato さん
  • 2019年7月19日 12時27分
  • 閲覧数 12676
  • 役立ち度 463
    • 総合評価
    • ★★★★★

君のいない晴れなんか、ちっとも晴れていない。

初日初回上映にて

やはり「君の名は。」の人気は絶大であったため、平日の初回でも満席に近い数の入り。新海誠もハードルが高く難しかったであろう本作。

まず、ストーリー云々よりも、新海誠の世界観に浸るということが本作の1番の醍醐味であろう。舞台が東京であり、新宿などに行ったことがある人は、あまりにもの実名企業・店舗の多さやロケーションの忠実な再現度に度肝を抜かれると思う。日本映画では、あまり地理を前面に押し出さない傾向があるが、新海誠は忠実にロケーションを前面に押し出し、私たちの現実に寄り添った「日常的」な世界観を提供しつつも、ファンタジーによって非日常的風景も提供する。こうした、現実と虚構の混在はジブリぽさを感じる。

また、食事のシーンを多く取り入れており、韓国映画でよく用いられている、「食事を映すことで、人間味を出す」という手法が、本作では2Dアニメーションという、私たちと次元が違うものとの距離を見事に縮ませることに成功している。

新海誠と言えば、圧巻の映像美。本作は「天気」ということもあり、雨や雲、空の描写は凄まじく、水溜りや雨の中の都会の風景、止んだ直後の陽の光など…我々が常に感じている風景が、幻想的な風景に様変わりしている点も見事だが、上記の通り、現実に即した世界観はジメッとした日本の気候をまざまざと映像で感じられることも良い。まさに今の季節にピッタリの世界観になっている。

前作でRADWIMPSの音楽が人気を博し、本作も使われているが、やはり音楽の入り方や、映画の内容との親和性は完璧であり、前作同様に素晴らしい。

基本的にはファンタジー要素のある恋愛映画で、「君の名は。」とテイストは似ている。意外性はあまりなく、ベタベタなストーリーであることは間違いない。しかし、終盤につれて新海誠ならではの良い展開になってくる。そうなると、一気に本作に対する見方が大きく変わった。

ラストの展開は、新海誠監督のいままでのプレッシャーと反抗心が伺える。いままで鬱展開で病ませてきた監督だが、「君の名は。」がヒットしたことでカジュアルな映画を作り続けるのでは?と旧来のファンは不安を抱えていた。それに答えるように、一見ベタな恋愛というハッタリをかましてきて、ラストに監督の言う賛否両論な展開を用意してきた。これは、大衆商業映画の監督になっても、自分の作家性を貫くという自身の思いが如実に現れたプロットと言えるだろう。

周りからは鼻をすする音が聞こえていたが、私は特に感動はなかった。そういう点では、「君の名は。」を超えることはなかった。しかし、新海誠監督の作る映画の世界観には、製作費の関係で表現がよりできるようになったのか、「君の名は。」以上に堪能できたことが良かった。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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