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天気の子 (2019)

WEATHERING WITH YOU

監督
新海誠
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  • みたログ 1.8万

3.69 / 評価:15091件

5ℓ涙を流した、★1億個あげたい大傑作!

  • ROCKinNET.com さん
  • 2019年7月19日 16時42分
  • 閲覧数 38459
  • 役立ち度 654
    • 総合評価
    • ★★★★★

バケツ5杯分の涙を流し?、今目が腫れぼったくなっている(笑)
前作のプレッシャーを見事に押し退け、評価に臆することなく完成した傑作に、ただただ素晴らしいと世界中の称讃の言葉を新海監督に贈りたい、そう思った!

2019年、梅雨が異常に長引き、現実世界で夏らしさや青空を求める7月下旬。僕らはスクリーンで天気にまつわる不可思議ながらも愛しい物語を目にする。この感動を胸に、これから新しい季節を迎えられる喜びを噛み締め、心は浄化され爽快な気分だ。

雨が降り続ける東京は混沌とし、街は薄暗く、まるで生気を失ったような表情を見せていた。その中で、主人公の陽菜は、祈れば必ず天気が晴れる能力を身に付け「100%の晴れ女」となる。偶然にも家出少年の帆高と出会い少女の運命は数奇な方向に転がっていく。両親に許可も得ずに家出し路上生活ギリギリで過ごす少年、幼い弟と二人暮らしの少女、決して恵まれない少年少女が薄暗い東京を舞台に奮闘する様は、実は若者を取り巻く深刻な社会性を含んでいるように見え辛かった。実際にこういう子供たち、いると思うんだ。

異常気象が世界各国で起き、地球の天気は完全に狂っている。劇中で帆高も言っていたが「人の感情は天気で決まる」。日照時間の少ない北欧の人は精神疾患に掛かり易いし、逆の南半球の国々は音楽の発祥の地でもあってか、歌って踊って愉快な民族が多い。如何に天候が人を左右するかが分かる。しかし、だからと言って科学が発展しようが天候を前にすると人間は無力で、どうすることも出来ない。ただ、黙って対峙しなければならない対象。

そんな大きな力が調和を失った時に、人はどうするのか、何を信じて生きていくかを、そんなシリアスなテーマ性を、こんなにも切なくもロマンチックに昇華させるのだから、新海誠の発想というのは凄まじい。まさにRADWIMPSの主題歌「愛にできることはまだあるかい」なのだ。天気と恋を天秤にかけた時に帆高が出した答え。彼が信じる愛こそが正解だと結論付ける姿勢は、混沌とする現代の中で「生きていく時間の中で何に光を見出すべきか?」悩む現代人への生き方のひとつの回答を示しているように思える。

異常気象、天候災害を彷彿とさせる天気の深刻さを、青春期の淡い恋と融合させ、日本のポップ・カルチャーの象徴として成立させた手腕に感動を覚えた。3年前に『君の名は。』で既に実行済みの手法ではあるが、それを正当に受け継ぎながらも、全く新しい創造を成し遂げ成功させた新海監督に脱帽だ!

『君の名は。』では口噛み酒、『天気の子』では人柱。日本伝統を模倣としたファンタジーを物語に絡める独自性には目を見張る。今回も脱帽な着眼点だ。陽菜はいわゆる雨を止ませる力を引き換えに己の存在を犠牲にする「人身御供」の対象となってしまった。帆高の淡い恋心が募った矢先に、かけがえのない存在の喪失を知る緩急の付け方が本当に上手い。涙なしでは語れないシーン。そこから、主要登場人物が総出で難題に立ち向かう展開も『君の名は。』を彷彿とさせるが、エンターテイメントに徹する脚本・展開が超大作として恥じないだけの重量感を与えている。

完成披露会見で賛否両論を呼ぶだろうと言っていた新海監督だが、これはこれで全然アリ! 『天気の子』は生き辛さの中で、それでも生きるために信じるものの尊さとかけがえのなさを伝え、現代人が前を向くために世に贈られるべくして贈られた、希望の映画だった。

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