ここから本文です

多十郎殉愛記 (2019)

監督
中島貞夫
  • みたいムービー 49
  • みたログ 209

3.03 / 評価:183件

老名匠の描く悲恋物語

  • cyborg_she_loves_me さん
  • 2020年6月25日 13時31分
  • 閲覧数 192
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

ヤクザ映画の名匠・中島貞夫監督が、84歳にして20年の沈黙を破り、ほかならぬ悲恋物語(「殉愛記」)をテーマに映画を撮ったというところに、大きな意味があると私は思いますね。

 「殺陣の魅力を存分に見てもらうこと」をコンセプトに制作された剣戟映画、とあちこちで紹介されていますけど、私の個人的趣味かもしれませんが、この映画の殺陣シーンは私には全然魅力的に見えない。
 映画「イン・ザ・ヒーロー」の最後にワンショット100人斬りのシーンが出てきますが、そりゃあっちの唐沢寿明さんに比べたら、この映画の高良健吾くんの動きは、どこかいまひとつ鈍く見える。
 街中で100人以上の敵に四方を取り囲まれながら「あっかんべー」してちゃんと逃げおおせたりとか、竹薮で敵と戦うのに竹1本を背にして背後の敵を防ぐとか、いやいやいくら何でもそれはないっしょ、っていうようなシーンがいくつもある。
 そういうシーンをこの映画の「かなめ」と見たら、満足度は低いと私は思いますね。

 この映画のテーマは、後半に出てくる世捨て人の坊さんが語る言葉に集約されていると思います(この坊さんは中島監督の分身では?)。

 おまえさん、何のためにそんなものを振り回す羽目になった? 天下国家のためか?
 ちがう。
 金か?
 ちがう。
 では……女か?
 ……
 わしにとって、この女は、ハルは、仏さんなんじゃ。わしはハルに出会うて、一緒に暮らして、初めてこの世に生きる喜びを知った。この女のためなら、死ねるよ。

 多十郎の戦いのシーンはすべて、「おとよ(多部未華子さん)のためなら死ねる」という意味あいをもって描かれているから、かっこいいと感じられるんだと思います。ただの殺し合いのシーンとして見たって、迫力に欠けるだけ。

 恋愛なんぞにはとうの昔に関心を失っていてもおかしくない84歳の老監督が、人気絶頂のこの若手2人を使って、こういう純愛・悲恋物語を描いているところが、すてきだなと私なんかは思うところです。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 未登録
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ