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武蔵-むさし-
2019年5月25日公開

武蔵-むさし-

1202019年5月25日公開

fal********

5.0

久しく無かった骨太な時代劇

テレビや映画から「時代劇」と呼べるものが絶え、見た目重視のおもみもふかみもない「時代劇もどき」が幅を利かせて久しいこの時代に、ようやく久々に「本物の時代劇」を見た気がする。 説明やBGMは最低限に留めおき、人間同士の思惑や陰謀、殺陣においてひたすらリアリティを追求した作品である。 無邪気な功名心から吉岡一門に試合を申し込み、やがて巻き込まれていく殺戮の中で悩み、怯え、苦しみながらも成長していく武蔵の姿を丁寧に描いている。 無論、ライバルであり最大の強敵である佐々木小次郎や、出番が少ししかない登場人物に至るまでしっかりとしたバックボーンが練られており、端役一人にもちゃんと人生がある事を伺わせる。 決して派手さがある作品ではないが、吉川史観で形作られた「宮本武蔵」像ではなく史実に基づく「新免武蔵守藤原玄信」として描かれている作品と言えよう。 なお、本作を観るにあたり、まずは新免武蔵の史実を予習していく事を強く推奨する。 史実を調べもしないで上辺だけを見て酷評するのは、愚の骨頂である。

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