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ヘイト・ユー・ギブ
2019年3月13日公開

ヘイト・ユー・ギブ

THE HATE U GIVE

1332019年3月13日公開

yam********

5.0

ネタバレ考えさせられる人種問題映画

人種差別がテーマの映画です。 主人公のスターは幼い頃から父親に白人社会で生き抜く術を教えられます。それは警察に殺されない方法。彼らが住む黒人貧困層が集まるエリアでは麻薬の売買や殺人が横行し、その負の連鎖タグ・ライフを断ち切るために両親はスターを白人富裕層が通う私立学校に入学させます。白人社会に馴染む為に自分を偽り続けますが、白人の友達やボーイフレンドもでき、地元の学校にいるよりはるかに充実した毎日を送っていました。 ある時、黒人の幼馴染みを目の前で警察に射殺され、黒人であるということがどういうことかを改めて突きつけられます。学校では何事もなかったかのように生活を続けますが、友人に黒人達の抗議活動を授業をサボる口実にされたり、射殺した警察の報道を見て警察を擁護する様な発言を聞き、それに我慢できない自分と葛藤します。 幼馴染みの無実を伝えたくても、警察もメディアもどのようにして彼が殺されたかよりも、まるで彼が悪者であったかのように、麻薬の売人であることや家庭環境のことばかり質問します。 どこにでもいる普通の女の子の理不尽な扱いに対する等身大の悩みや葛藤そして決意が苦しいほど描かれていました。 かといって警官側が完全に悪かと言うと、いつ殺されるか分からないと言う恐怖が常に付き纏ってる現実もあり、なかなか一言では解決できない問題の深さに考えさせられました。 子供達を護りたい母親、家族を護りたい想いとギャングの圧力に板挟みになる父親、そんな父親を見ている兄や弟。黒人の想いも警官の立場も理解する黒人警察官。理不尽な事に怒り狂う黒人大衆。人種なんか関係ないというボーイフレンド。他人事の同級生達。登場人物の一人一人の想いや考えが丁寧に描いており、凄く引き込まれました。 誰が悪いとかではなく、なるべくしてなってしまった社会に歯痒さを感じました。 結局警官は不起訴になりましたが、最後まで味方でいてくれた白人のボーイフレンドの存在が未来への希望です。

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