4.0点
ネタバレ♪およよ~ およよ~♪
…在宅勤務で映画三昧の日々を過ごし、レビューが一杯溜まってしまったので、ザックリと書くことにする。 …あらすじは、横着をして、解説の次のとおり。 『ピアニストのヴィクトル(トマシュ・コット)と歌手を夢見るズーラ(ヨアンナ・クーリグ)は、ポーランドの音楽舞踊学校で知り合う。 やがて二人は恋に落ちるが、ヴィクトルに政府の監視の目が向けられ、彼はベルリンでの公演後パリに亡命する。 その後歌手になったズーラは、公演で訪れたパリやユーゴスラビアでヴィクトルと再会を果たす。』 全編モノクロ画面なのに、パステルカラーで彩色されたかのように錯覚する映像の美しさだ。 その映像に乗せて、ポーランドの民族音楽からジャズに至るまでの楽曲が寄り添い、時代の荒波に翻弄されて出会いと別れを繰り返す男女の愛の遍歴が綴られていく。 パリのクラブでの気怠いジャズに酔い痴れたかと思えば、ズーラが「Rock Around the Clock」に合わせておどる激しいダンスも一興だ。 特に、曲調を変えて何度も繰り返し流れるポーランド民謡「2つの心」?の♪およよ~ およよ~♪というフレイズは、耳にこびり付いて離れなくなる。 で、出会って15年の歳月が流れ、お互いにそれぞれの伴侶がいるにも関わらず、堰を切ったかのように教会へ駆け付け、式を挙げるのだった。 ラスト、2人は錠剤のようなものを飲み、「あちら側へ行きましょうか……」と嘯いて消え入り、一陣の風が吹いてのジ・エンドは切なかったな。 最期のテロップで「両親に捧ぐ」とあり、本作はパヴェウ・パヴリコフスキ監督の両親の実話かも知れないな?と思いを巡らしたくもなってくる。 88分という短尺ながら、モノクロ映像・脚本・音楽のどれをとっても一流の佳作で、非常に見応えありの3.8点といったところかな。 (メモ 総レビュー数:3715件、2020年度158作品目)