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上映中

真実 (2019)

LA VERITE/THE TRUTH

監督
是枝裕和
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  • みたログ 613

3.44 / 評価:492件

フランス映画でも是枝節は健在

  • kap***** さん
  • 2019年10月21日 23時09分
  • 閲覧数 1563
  • 役立ち度 29
    • 総合評価
    • ★★★★★

本来であれば長年にわたる母娘の確執を描く重いドラマになるところを
是枝監督の演出と、何より人を食ったような
大女優役のカトリーヌ・ドヌーブの演技で
軽やかな物語になっています。

この大女優、言いにくいこともズケズケ言う毒舌家。
最近の映画界やTVドラマに対して痛いことは言っていますが、
もっともなところもあり、憎めないユーモアがあります。
字幕で見ましたが、まるでカトリーヌ・ドヌーブの口から
樹木希林さんの声が聞こえてくるようでしたようでした。

やはり誰もが認める大女優・カトリーヌ・ドヌーブだからこその味。
実際に是枝監督が撮影中にドヌーブとの会話の中で出てきた言葉を
そのまま使っている部分もあるそうです。

是枝裕和監督は近年の「三度目の殺人」や「万引き家族」など
社会性の強い作品が注目されますが
「歩いても歩いても」などのような、昔の「東芝日曜劇場」などを思わすような
ちょっとビターな味わいのホームドラマも持ち味の人です。

ファビエンヌの親友でライバルであり、リュミールが慕っていた女優サラの死が
母娘の間にのどに刺さった骨のようにいつまでも残り続けています。

中盤からファビエンヌが出演する映画「母の記憶に」(SFの傑作)の
撮影の様子が並行して描かれますが
そこで共演する「サラの再来」と呼ばれる若い女優の存在が
親子の間に波紋を投げます。

「真実」に対して「母の記憶」と言う合わせ鏡のようなタイトルも
思わせぶりです。

自分を正直にさらけ出せない大人たちに対して、
今回も是枝監督はリミュールの娘である子供の視線を
上手く使っています。

現実では自分の気持ちを上手く伝えられない不器用な母娘が
女優である母は演技、脚本家である娘は言葉を使って歩み寄る
終盤の展開は見事です。

しかも、見る者にはそう思わせて、その後ラストへの展開は
え?何が本当?と見る者を煙に巻きます。

「真実」と言うものは「羅生門」のように見る者の視点によって変わる
曖昧なものであること。
ラスト近くの「ねえママ、これは”真実”?」と言うリュミールの娘の言葉が
印象的です。

大女優の母と娘の話ですが、最後は世界中どこにでもある
普通の母と娘、普通の家族の話になります。

詳細評価

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