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魂のゆくえ
2019年4月12日公開

魂のゆくえ

FIRST REFORMED

1132019年4月12日公開

goo********

4.0

ネタバレ逃げるな。

「私は歴史のスイートスポットに生きています。戦後世代でベビーブーマー。  貧困や飢餓が最も少なく、教育が最も盛んで、最も娯楽的な時間です。  歴史上、最も楽観的な時代だといえるでしょう。  そしてこの驚くべき環境で私たちは何をしているでしょうか?子孫のために、それを台無しにしただけです。  我々は最高の世代の産物であるがゆえ、最も欲深い世代でもあるのです」 (ポール・シュレイダー監督談) まず、本作がここまでメッセージ性の濃い映画だとは思っていませんでしたが、「華氏119(2018)」と同じくアメリカの闇に斬り込んだ作品です。 キリスト、あるいは釈迦やムハンマド等の開祖は、抽象度の極めて高い人間だったでしょう。 抽象度が低い、あるいは彼らほど高くない「般ピー」の中には、教えを勝手な解釈で捻じ曲げ(あるいは捏造し)、本作でも描かれる福音派のアバンダント・ライフ教会やパトロンのバルク社のように、開祖が決して望まなかったであろうレベルに堕ちる者も出てきます。 2019年9月にカナダのティーンエイジャー、エマ・ロスが興したと思っていたバースストライキの考え方は、少なくともその2年前(本作製作当時)には在ったんですね。 既得権益の受益者が“邪魔者”を殺害する、いわゆる環境殺人も、本作を観たときは「数字盛ってない?」と思いましたが、実際調べてみて唖然。私が無学なだけでした。 「やがて(自分の子供が)成長したら  こう言ってくる “最初から (生存に適さない環境になることを)知ってたんでしょ?”  そうなったら  俺は何と答えればいい?」 (マイケルの台詞より) 「子供たちは極端だ  妥協点がない」 「恐ろしい時代のせいさ  わしらの世代とは  世界がまったく異なる  地球温暖化    ちまたにあふれるポルノ  超暴力的なゲーム・・・」 (イーサン・ホーク演じるトラー牧師とセドリック・カイルズ演じるジェファーズ牧師の会話より) 子供たちに「そう」させ、そういうものを生み、与えたのは、全て私たち大人です(-_-) 「種が決断を下したのだと思います。もうとっくに手遅れです。未来の生存よりも、現在の快適さを選択したのです。  テクノロジーに思うままに翻弄されている。我々は進化の移り変わりの時期にいるのだとも思います」 (ポール・シュレイダー監督談) この一点↑だけは評価できないので、星を一つ減らします。 (環境悪化を憂うマイケルを散弾銃で自殺させたり、トラー牧師とアマンダ・サイフリッド演じる未亡人メアリーの、「最後に救われました」的な投げやり描写) 私は監督ほど、人類は救いようのない種だとは思っていません。 最近ではグレタ・トゥーンベリさんとかでも、ギリギリまだ手遅れではないと考えているからこそ、声を挙げたのでしょう。 もし本当に「間に合わなかった」としても、できることをやらない理由には(少なくとも私は)なりません。 それでは自分にも、私たちの後を生きる世代に対しても、あまりにも不誠実すぎる。 それでは(実際あるかどうか知りませんが)“たましい”は救われません。 『たとえ世界が明日滅びるとしても、私は今日、リンゴの木を植える』 (マルティン・ルター:神学者、教授、作家、聖職者)

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