レビュー一覧に戻る
魂のゆくえ
2019年4月12日公開

魂のゆくえ

FIRST REFORMED

1132019年4月12日公開

jts********

4.0

ネタバレ苦悩を描いた映画

年末にレンタルで観賞しました。キリスト教の牧師が様々な理由から苦悩する作品なので全然面白いストーリーではありません。また後半にアマンダ・セイフライドさん演じるメアリーと不思議なシーンがあるのと、ラストシーンもちょっと理解不能な終わり方をするので混乱しスッキリしません。  しかしイーサン・ホークさんの苦悩する演技が素晴らしい。次第に陰鬱な影が濃くなっていくトラー牧師を見事に演じていて目が離せません。日本ではメジャーでは無い俳優さんですが、暗い話なのに早送り出来ないのは彼の演技力の為せるものだと思います。  ラストシーンが理解不能だったのですが、別の方のレビューを拝見してかなり腑に落ちました。決して単なる男女の情オチではないと思いますので誤解なきようにして下さい。 以下は個人的メモとして、そのレビュー引用です。ネタバレに近いと思いますので未見の方はご覧にならない方が良いです。 (1)エンディングは死に至るまでの過程 家には鍵がかかっていたので、メアリーは入って来れない。自殺を図ったトラー牧師の臨死時の意識(幻覚?)を表現している。意識が途絶えて最後は全てが暗闇になる。 (2)トラー牧師はイエス・キリスト (3)メアリーは聖母マリア 【解釈】 キリスト教の教義においては、救い主であるイエス・キリストが人類をその罪から救うために、身代わりに磔になったものとされる(Wikipedia)。 トアー牧師は、当初、自爆テロによって人間の罪業を罰しようとするが、メアリー(聖母マリア)の登場によってテロを断念させられる。そのため彼は、イエス・キリストよろしく身代わりとなって殉死した。 しかし、彼は聖母マリアと熱い抱擁の中で高揚感に包まれて幸せに死んでゆく。 繰り返し流れる曲---Leaning on the Everlasting arms---永遠の腕に抱かれて、不安も心配もない世界で--- テロを含めてどれだけの力を持ってしても、人間が作り出した罪業は何も解決できない。 人間は罪を背負って生きていくしかない。 どうすれば人間は救われるのであろうか。 そして人間にとっての幸せとはなんであろうか。 ラストのメアリー(聖母マリア)との抱擁は、まさしくトラー牧師が極楽浄土に往生した姿ではないだろうか。 聖母マリアはイエス・キリストのお母さんなので、最後にメアリーが呼びかけるのもエルンストと名前で呼びます。(それまではトラー牧師と呼んでいた) そう考えるとメアリーの姿が観音様にようにも思えてくる。 信じる者は救われる。 現代アメリカ社会が陥っている疲弊と限界そして絶望、キリスト教でも救えない現実に対して、彼が提示した精神世界。 余韻はいつまでも終わらない。 くり返しくり返しLeaning♪の歌声の響きが頭から離れない。

閲覧数700