レティシア
- 出木杉のびた さん
- 2019年12月10日 11時30分
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- 総合評価
“レティシア“、実にいい響きだ。我々の世代でこの名前はどうしても『冒険者たち』のヒロインに繋がってしまう。演じたジョアンナ・シムカスの、何と美しかったこと。『カリオストロの城』の“クラリス“もまたいい音韻で、ヒロインの名前に相応しいイメージで、男子の心を揺さぶってくれた。今作レティシアの声に、絶好調の広瀬すずというのもナイスなキャスティング。
『ジュブナイル』、『リターナー』など、初期の作品はSFから入った山崎貴監督。後半かなり荒唐無稽な展開になるのも、映画的スケールも考えれば当然ともいえる。それを悪名高きあの人物生存説を組み込んで、奇想天外なストーリーにまとめあげている。
ルパン一世が盗めなかったとされるお宝”ブレッソン・ダイアリー”に孫が挑む。同じ物を狙うレティシアが何者であるかは、すぐに見当はつく。ルパンもそうであるように、考古学に興味を惹かれてやまないレティシアもまた、争えない血を継いでいるのだ。
ルパン一味は相変わらず安定した活躍をしてくれる。不二子の裏切り、次元、五ェ門はここぞというピンチに現われる神出鬼没のお約束。銭形のどこまでもルパンを追いかけてしまう習性?もうまく利用して、その絶対の安心感は万全。一味に今更ドラマは期待できないので、そこはゲストキャラクターに委ねられることになる。
ランベールは思惑があってレティシアを引きとったのだが、長年育てたレティシアに対する感情が葛藤を生む。更に自分の研究者として認められない傷つきやすいプライドもまた、この男の動機にもなっていて、物語を牽引する重要人物だ。この感情のうねりが見どころでもある。
大野雄二の音楽はいまだ色褪せず、いつ聴いてもかっこいい。そのテーマ曲が流れるだけでもワクワクさせてくれる。何度も際限なく繰り返される、ルパンと銭形の追っかけっこ。これが本当に楽しそうで、パターンなのだがこちらも何か嬉しくなってしまう。こんなお決まりの光景を見ただけで、ついホロリとしてしまいそうになるのは、なんでだろう?長年愛されてやまないルパンと仲間たち。やはり彼等は僕たちにとって、永遠不滅のヒーローなのだ。
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