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ロマンスドール (2019)

監督
タナダユキ
  • みたいムービー 301
  • みたログ 831

3.68 / 評価:630件

ありふれた感情。だからこそ良い

  • TとM さん
  • 2021年7月17日 12時04分
  • 閲覧数 2211
  • 役立ち度 5
    • 総合評価
    • ★★★★★

作品は園子が亡くなったという哲雄のナレーションで始まる。哲雄と園子の出会いから死別までの物語だ。
その中で、結婚式のあとソファーに二人が正座で向かい合うシーンがあり、中盤にも全く同じ構図でソファーで向かい合うシーンがあることからもわかるように、出会いから擬似的な離婚までと再生から死別までの二回の夫婦生活を描いている。

相手を思いやること、その思いやりが重圧となること、必要とされていないかもという想い。
こういった特別ではない、誰でも似たような感情を抱いたことがあるようなありふれた普遍的な内容が、理由はわからなくとも何となく良いものを観た気になる原因だろう。

近所に住んでいる普通のご夫婦を見ても面白くないわけだから、映画にはある程度刺激が必要だ。
その刺激の部分はメインプロットである哲雄と園子ではなくドール職人であるというところに置いて、なんてことはない普通の近所のご夫婦を描いてみせたタナダユキ監督は初めて観たけど良い監督だと思った。
哲雄と園子の間に特別な何かを求め勝ちな多くの男性監督と違って、普通のこと、ありふれたこと、その中の眠る微かな感情。そんなものを作品にできるところは、あまりこんなことは言いたくないけど女性監督ならではな気がした。

ラストのあり方に不満な人がチラホラいるみたいだけど、自分の考えと違うからと言って哲雄と園子の選択がおかしいとはならないと思う。
園子は最初に誰かの役に立ちたいと言った。その想いはずっと変わらない。その誰かがどこかの誰かではなく哲雄になった。
最後の園子の望みは哲雄の役に立つこと。
それに対し、園子の献身や愛情から逃れようとした一度目の夫婦生活の失敗から哲雄が学んだことは、園子の愛情に応えること。逃げないこと。
世界中全ての人がおかしな選択と思ったとしても哲雄と園子にとってはおかしなことなど何もないのだ。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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