ここから本文です

嵐電 (2019)

監督
鈴木卓爾
  • みたいムービー 88
  • みたログ 200

2.73 / 評価:127件

変わること

  • やまし さん
  • 2019年6月26日 22時01分
  • 閲覧数 1207
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

行き違い駅、画面左右の踏切の遮断桿が降り警報機が列車の到着を知らせる。
ここでまず『列車の到着』を想定していた観客を裏切るように電車は現れ交差する。後に遮断桿が上がるがそこには何も現れない。

方言指導のシーン、縦の構図で同方向を向いた2人、女が右へ流れ男がそれを追い越し背後に回りまた向き合う。
「撮る」2人、電車を撮る少年を撮る少女が一直線に並びその狭間に井浦新は挟まれる。
登場人物は皆行き違い・交差を繰り返し、ベクトルを乱反射させながらもこの狭い町から出ることはない。

京都という地からも溝口健二の、特に『雨月物語』の影響が大きいのではと思う。
井浦新と通話していたはずの妻が左パンで突然フレームインするのは囲炉裏に佇む田中絹代、大西礼芳と金井浩人が同じ芝居を繰り返す賽の河原は京マチ子の屋敷跡ではないか。

変わること。
撮ることは時間と場所を定着させることであり、それを見ることは「変わる/変わらない」を再確認する作業だろう。だが映画の撮影現場は「変わり続ける」時間と場所を目撃する行為であり、撮影が終わらないのは生きていくことと同義なのかもしれない。

底冷えする盆地という地理、海に例えられる町、外から来た人間である井浦新はアパートの2階に居を構える。そこから階下の自分の過去を見つけ降り、波の音が聞こえる庭でようやく安堵しほほ笑む。
一方、狐狸の電車の呪縛から逃れた東北訛りの少女は少年と灯台へ向かう。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 未登録
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ