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マローボーン家の掟 (2017)

MARROWBONE

監督
セルヒオ・G・サンチェス
  • みたいムービー 115
  • みたログ 379

3.71 / 評価:293件

遺憾ながら使い古された結末

  • lry***** さん
  • 2019年4月24日 23時34分
  • 閲覧数 2856
  • 役立ち度 11
    • 総合評価
    • ★★★★★

(本当に派手にネタバレしていますので、映画未見の方は御容赦ください)

こういう映画が上映中だと初めて知ったその日に、ホラー系の作品だという以外は何の事前情報も入れずに観賞。悪党の父親から逃れて大西洋を渡り、アメリカの母の実家にやってきた母と四人のきょうだい(たぶん、一番小さなサムはきょうだいではない)。母が亡くなったあと、追跡してきた父親を屋根裏に閉じ込め、半年が経過するが……。

脚本も演出も途中まではすばらしく、いったいこの映画はどこに向かうのだろうと皆目、見当がつかなかった。映画愛好歴五十年以上、さんざんホラーや怪奇映画を見てきた当方ですら、たとえば四人がゲームをしている最中、サイコロが転がっていくシーンなどには本当に恐ろしさを感じた。久しぶりだった。当然、期待が高まった。しかし、その着地点は……。

以下の映画を御覧になったことのある方なら、『マローボーン家の掟』が別段、新しくもない手法を使っていることに気づくだろう。『ジェイコブズ・ラダー』、『アザーズ』、『アイデンティティー』、『ドリームハウス』、『ゴースト・ストーリーズ』。ホラー以外でも『ビューティフル・マインド』(アカデミー賞四部門受賞)などで用いられている。

しかし、ここで言及すべき決定的な作品はもちろん、聖典、ヒッチコックの『サイコ』(1960年)である。『マローボーン家の掟』のラストで長男のジャックが一人四役をやっているシーンを見た時、私は少々、脱力してしまった。えっ、そのパターン?『サイコ』のテンプレをほんのちょっとバージョンアップしただけではないか。これを「驚愕の結末」と言っていいのだろうか?『アイデンティティー』のような、ひねりの利いた演出・描写があれば、また別だが。

新しい部分がないではない。ホラーにしては珍しい叙情性や美しい音楽、恋愛、家族愛等々。しかし、それらも着地点の古臭さを解消するほどの力は持っていない。

一番、不可解なのは狂気の連続強盗殺人犯、父親の素性である。彼は何者なのか?なぜ、母親は彼と結婚したのか?彼が異常だったらそもそも結婚はしないだろうから、異常になったのは三人の子供が生まれてからか?(サムはおそらく、父親に性的虐待を受けたジェーンの子であろう)

父親はマローボーン家の人々の苦悩の、究極の原点である。しかし、自分の子供ですら平気で殺害する彼の残虐さに、説得性がない。殺人鬼としてひどくステレオタイプで個性がない、性格がないのである。しかも、彼はジャックのライフル一発であっさり死んでしまう。喉をナイフで刺されても死ななかったのに。うーん、どうなんだろう。

ぎりぎり星三つである。それ以上は無理だろう。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 不気味
  • 恐怖
  • 絶望的
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