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ラ・ヨローナ ~泣く女~ (2019)

THE CURSE OF LA LLORONA

監督
マイケル・チャベス
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3.13 / 評価:367件

ラ・ヨローナさんの身体探し物語なのかな?

  • dr.hawk さん
  • 2019年5月21日 20時41分
  • 閲覧数 980
  • 役立ち度 4
    • 総合評価
    • ★★★★★

2019.5.21 字幕 イオンシネマ京都桂川


2019年のアメリカ映画
中南米の伝承怪談「ラ・ヨローナ」を取り扱ったホラー映画
監督はマイケル・チャベス
脚本はミッチ・ドートリー


物語は1673年のメキシコの惨劇が描かれて始まる
(「ラ・ヨローナ伝説」のビジュアルなので詳細省略)

時を経て、1970年アメリカのロサンゼルス
主人公であるソーシャルワーカーのアンナ・ガーシア(リンダ・カーデリニ)は、警官である夫ディビッド(デ・ラローサ・リバーラ)を失ったばかり

彼との間に授かった息子クリス(ローマン・クリストゥ)と娘サマンサ(ジェニー=リーン・キンチェン)と三人暮らしをしていた
(以下、文字制限のため、あらすじ省略)


物語のテーマは「嫉妬」と「信頼」である

「嫉妬」はラ・ヨローナ発生の起源でもあり、本作ではラ・ヨローナとパトリシア、アンナの3人の母親が「嫉妬」によって起こる奇怪な現象に囚われてしまう

だがこの3人の「嫉妬」は少々質が違う

ラ・ヨローナは夫の不倫によって逆上した妻であり、その不倫相手は「若い女」であった
これが意味するのは「老いていく女の嫉妬」であり、絶世の美女扱いだったラ・ヨローナが本当の姿を表したときに「ん?」と思った観客は多かったはずである

メキシコ基準かなとも思ったが、よく考えると二人の子どもを出産してから10年近く経った女性であり、年齢は30歳を越えていると推測される
その時期に夫が若い女に走ったのである

ラ・ヨローナが子どもを攫う理由は「夫の宝物を奪う」であり、子どもに危害を加える以上の欲求が存在する


この物語はアンナの自業自得の物語であるが、問題は「なぜ彼女はラ・ヨローナに狙われたか?」である

この手の「閉鎖空間における自己中心的な人物の破滅」は、閉鎖空間に招聘される理由を解決しないと外には出られない構造になっている

アンナが迷い込んだのは「信頼」というテーマに抵触するからである

この映画において「信じる」という言葉は何度か出てきたいて、

「パトリシアの状況」
「ラファエル(レイモンド・クルス)の悪魔祓いを心のそこでは軽蔑している」
「パトリシアの祈りの解釈」
「神父ペレス(トニー・アメンドーラ)の忠告」
「クリスの体験」

である


アンナという人物は「自分以外の人間を信じていない」人間である

「同僚のドナへの発言」
「子どもが言うことを聞かない」
「パトリシアの言葉を無視して行動する」
「ラ・ヨローナに襲われている最中でもラファエルの能力を手品だと言う」

これらに見えるアンナの全体的自分中心主義と自己満足こそが、ラ・ヨローナを呼び込んだ原因である

自分だけを信じているアンナは、クーパーを制止して独断でパトリシアの家に入り、彼女の話を聞くこともなく自分の考えの元に行動する

この性質は子どもにも波及していて、ラ・ヨローナに何度も襲われてもクリスもサマンサも母親には何も言わないのである

この関係性が母子の間でも存在し、アンナ自身がそれに気づかないと事態は収集しないし、それをわかっているからラファエロは表に立って戦わない
(実際にはアンナが倒すためのフォローと環境を作っているだけである)


最終的に「炎の木の十字架」によって、ラ・ヨローナは成仏したように見える

だがラストショットの水たまりの中にいたアンナは、記憶違いでなければ「ラ・ヨローナの白いドレスを着たアンナ」だったように思えた

このラストショットが意味するのは「ラ、ヨローナは消滅せずにアンナの中にいる」ということであり、物語は終わっていないことを告げている

シナリオ的にもアンナはまだ「閉鎖空間から出るための気づき」に達していないので当然であろう


いずれにせよ、ホラー映画として観ると演出面ではほとんど怖くない映画である

だが「状況」や「起因」を考えると、「終わっていない」感と「ラ・ヨローナの魂の伝承」が描かれているので、思った以上に奥は深い

「ラ・ヨローナ」とは何か?と考えると面白くて、彼女は実体が見える悪霊であるが、本体は「老いていく女執着」そのものである

パトリシアはその執着の外にいて、「ラ・ヨローナ」が次のターゲットを見つけるための布石でしかない

パトリシアの嫉妬を通じて、ラ・ヨローナはアンナを見ているわけであり、それを考えると「ラ・ヨローナは目的のために何でもする」というラファエルの言葉の意味が変わってくることに気づく

そう言った意味では、意外と悪くない物語であったが、その核をうまく表現できたかどうかは微妙であると感じた

続編には「正体はアンナさんのラ・ヨローナ」が登場すると思うので、そうだとしたら「読み勝ち」なのかも知れません

違う意味で続編が楽しみになりました

詳細評価

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