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コレット (2018)

COLETTE

監督
ウォッシュ・ウェストモアランド
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3.38 / 評価:127件

10代の少女のカリスマ、[コレット]

  • Scarlet Ohara さん
  • 2019年5月19日 17時02分
  • 閲覧数 484
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

高校時代、一冊だけコレットの作品を読んだ。[青い麦]である。

私は、主人公の少女と同年代の16歳、
友達以上恋人未満の、中学の同級生との関係にイライラしていた。なかなか告白してくれない彼。どうでもいい男子からは、次々声をかけられ、その対処に、気怠さを感じる。
大人の世界は、粉塵が飛び交う行き詰まるようなドームで、足を踏み入れたくない。父や母の叱言は、意味のわからないお経の様に聞こえる。大好きな深夜放送のDJと、大好きな映画と本と、まだ彼氏とは言えない彼と過ごす僅かな時間だけが、私の世界だった。

そんな私は、[青い麦]の主人公の世界に、ぴったりはまった。訳の分からないイライラと、思い通りいかない恋愛と、性への限りない憧れ。大人でも少女でも無い、中途半端な時代の私が、等身大で存在していた。一日で読み切った。が、コレットは、日本では、
ココ.シャネルや、フランソワーズ.サガンの様に、有名なフランス人女性ではなかった。

[コレット]の名で連想するのは、思春期の、汗の匂いと石鹸の香りが入り混じった様な、微妙な匂い、
恋愛と性への憧れ、大人への不信感、
当時の私そのものだった。

だから、内容も確かめずに、公開初日の5月17日に、仕事が終わった後、映画館に走った。

彼女は、進歩的で大人びた少女時代を送ったのかと思っていたら、正反対だったのが、また衝撃だった。自然に囲まれた、田舎で地味に生きる、今で言うと、いけてないダサい女の子。そのダサい女の子が、年の離れたプレイボーイと結婚して、パリに住む。

私の想像したコレットの半生とは正反対だった。夫のゴーストライターとして、その才能を長いこと世間から隠されて、夫に騙されて書かされていた、弱い古風な女がコレットだった。

早くあんな男と別れるべきだったのに、彼女がやっと離婚したのは、莫大な財産を、ダメ夫のせいで全て失ったその後だった。ダメンズを愛して尽くしてしまう、才能ある女性の例は数多くあるが、彼女こそその典型だったとは。

やっと自立して、コレットとして作家活動を始めたところで、映画は、エンディングを迎える。何故?というイライラが残ってしまった。

作家コレットが誕生するまでの時代を切り取ったのは良いが、何故その後の波乱の人生を端折ってしまうのか?

確かに彼女は、当時としては超長寿の80歳まで生きたので、その生涯を2時間でまとめるのは、難しいだろう。でも、[コレット]という題名をつける限り、最初の夫と別れた後の、本物の作家になってからの、彼女の波乱の人生を描いて欲しかった。

だが、私の中のコレットは、やはり映画を観る前と変わらない。
中途半端な青い時代を生きる、10代の女の子の代弁者、思春期の気怠さを少女の視点で表現してくれた、カリスマなのだ。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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