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ブレグジット EU離脱

ブレグジット EU離脱

BREXIT: THE UNCIVIL WAR/BREXIT

94

bakeneko

5.0

ネタバレTake back a control!

2016年に行われた英国のEU離脱の国民投票の際に離脱運動を指揮した:ドミニク・カミングスの先見&型破りな世論誘導戦略を再現して見せることで、現在の国民&世論操作のテクニックを提示してゆく―社会派エンタテイメントであります。 EU離脱の国民投票が施行された2016年。EU離脱派のダグラス・カースウェル(サイモン・ペイズリー・デイ)は、ロビイストのマシュー・エリオット(ジョン・ヘファーナン)を通して、政界の問題児:ドミニク・カミングス(ベネディクト・カンバーバッチ)をEU離脱派キャンペーン団体の指揮官に迎える。 ドミニクは最初にリベラルすぎる―イギリス独立党党首ナイジェル・ファラージと大口献金者アーロン・バンクスを組織の公認から外して、移民排斥演説などの“汚い役目”を彼らの独善活動とする。 更にドミニクはデータ分析会社アグリゲートIQのCEO:ザック・マッシンガムと提携して、アルゴリズムを使いたターゲティング広告で個人情報を取得し各有権者に合わせたメッセージを送る戦略を採ると同時に“選挙に参加しないことから政府のデータに無い”300万人の存在も掘り起こす。 そして“実際のデータと資料に基づいた理性的な説得”を旨とする残留派に対して、“感情優先でミスリードを狙う誇大宣伝”方式で、次第に優勢になってゆく…というお話で、英国のEU離脱の際に何が起こっていたか?を詳細に映し出すとともに、SNSを用いた現在の世論調査のノウハウを提示してゆきます。 「候補者ビル・マッケィ」-アメリカ上院議員選挙 「NO」-チリの独裁政権可否国民投票 などに連なる―選挙&世論獲得活動のテクニックを判りやすく解説しながら、同時に娯楽性も堅持している社会派娯楽映画で、カリスマ的な主人公を演じるベネディクト・カンバーバッチは、本物とのそっくりぶりと強烈な個性で、「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」で演じたアラン・チューリングを連想させる―人付き合いの苦手な天才を見事に造形しています。 実際の政治家や起業家の名前が続々と出てくる実話ベースの作品で、戦後の英国の欧州連合への参加の道のりや、それぞれの階層民のEUへのスタンス、主要な論争点となった”高すぎる参加費用とトルコ移民への反感”など、英国のEU離脱の原因も判る映画ですが、エンドタイトルで提示される―英国でSNSを用いて勝利を得たチームに所属していた人物が次にアメリカのドナルド・トランプの選挙活動に参加して勝利に導いたことや、劇中の彼らの活動スローガン:Take back a control の文言をちょっと変えて、Take back a countryとすると某自民党が同じ頃日本で選挙に用いたスローガンになるなど、深読みするとなかなか恐ろしいことに気が付きますよ! ねたばれ? 1,過剰宣伝に後で監査が入るところは流石に政治活動に厳しい制限がある英国だな~(日本ならば殆どの議員が引っかかるな) 2,1年余りにしては頭髪の後退がはげしいなあ…

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