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上映中

タロウのバカ (2019)

監督
大森立嗣
  • みたいムービー 98
  • みたログ 130

2.69 / 評価:97件

最優秀脚本賞をあげたい

  • bqy***** さん
  • 2019年10月9日 21時23分
  • 閲覧数 525
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

若者が銃を手にして破滅へと向かうのはありきたりだし、本作の3人も破滅へと向かってはいるんだけども、本当の意味で死と隣り合わせに生きることというテーマのほうが前面に出ていて、のめり込まざるを得ない。


ラストシーン。
タロウ(YOSHIさん)が少年サッカーチームの練習に割り込んで、わめき散らして終わる。
このシーンだけなら、弱者だね、ドロップアウトだねで終わっていた。

しかし本作の中盤、銃を手にしたタロウは独断で、自分の母親と同年代か少し上の女性に襲い掛かる。
それも2回。
1人は川に向かって祈りを捧げていたが、タロウに絡まれると怖れおののき、1人は公園でボーッとしていたが、タロウに絡まれると怖れおののいた。
死と向き合っていた筈の人に自分の死が迫ったときの豹変は皮肉だし、死とかけ離れた状況の人がいきなり自分の死を向き合うことになるのは、生けるものには当然の命題を観る者に迫る。
加えてこの件、どちらも1対1なのだ。

前述のラストシーン。
タロウが少年サッカーチームの子どもたちに抱く感情は、死と隣り合わせに生きていないことへの苛立ちだけではない。
1人対集団の苛立ちでもある。
ぬるい生き方してる癖になに仲間つくってんだよ、そもそもそれ仲間なのか、というタロウの感情がビシビシ伝わってくる。
タロウにとって仲間とは、ドラゴンボールを巡る闘いから生まれるものだから。

おまけにこの件、サッカーコーチの大人たちは、子どもたちを守ろうとする行動を一切とらない。
仲間のために死んでもいいと思っているタロウとの対比がエグい。


もう1つ触れておきたいのは、タロウが度々質問する、好きって何?である。

本作で障がい者は、健常者には理解出来ない人たちとして描かれている。
そこに唐突に、大駱駝鑑が登場する。
大駱駝鑑は、健常者なのに理解出来ない人たちとして現れる。
何がどう違うのか、これは強烈な問いかけである。

本作で好きって何を最も体現していたのは、雨のなか、川に溺れて亡くなった仲間を想って歌い続けた障がい者である。
彼女が好きの形を見せてくれたから、タロウは後ろから抱き締めたのだ。


YOSHIさん、菅田将暉さん、(仲野)太賀さんは凄かった。
スギオ(太賀さん)が惚れた売春女子高生役の植田紗々さんは覚えておこう。
僅かな出演だが、スギオの母役の豊田エリーさんが放つ負のオーラが凄まじい。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • パニック
  • 絶望的
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