3.0点
伊藤沙莉さん見たさに見ましたが、途中4分ほどのスナックのシーンでカラオケ歌って(歌うまい!)あれこれ怒鳴ってるシーンがあるだけで、出演してると言えるほどの出方じゃないです。 てか、ユースケ・サンタマリアさん、嶋田久作さんなど、エンドロールには大きくクレジットされてますけど出てるのはみんな2分間ぐらいだけの端役。ユースケさんは暗いホテルルームのシーンで顔すらよく見えない。 シム・ウンギョンさんは、「清浦あさ美」という名前の日本人役。であるがゆえに、明るくて楽天的なキャラ設定とあわせて、このわずかに韓国語なまりの日本語を語る彼女が、子供口調の「天然キャラ女性」に見えます。 そこが、かわいい。 このキャスティングは大成功だと思う。 彼女見たさなら見て損はない映画だとは思います。 しかし、肝心のストーリーはというと。 私のモノワカリが悪いだけか知りませんが、結局何が言いたいのかよくわかりませんでした。 家族との繋がり、故郷との繋がり、故郷での子供時代の思い出(これがタイトルと冒頭シーンの意味ですね)、といったものの大切さを描きたいんだろうとは思うんですが、、、 この故郷での物語の中に、目をそむけたくなるシーンがいくつも出てくる。 引きこもりの兄貴が父親の所有する真剣を手にもって薄ら笑い浮かべてるシーンはかなり不気味で「引く」。 電線から飛び立ったスズメがトラックにぶつかりそうになるシーン。これ何のために入ってるんだろ? 実家が酪農やってるシーンは、「あの牛たちは生まれてから畜舎に閉じ込められて一歩も外に出られず毎日毎日乳を搾られ続け、衰えたら切り刻まれて食肉になる」なんていう解説付きで映るもんだから、なんかこっちの胸がえぐられるような気分になるし。 きわめつけは、寝たきりのおばあちゃんと、老人ホームのシーン。 もう、あわれて、気の毒で。 これ見てて、「私はこんなふうになってまで生きていたくないな」としか感じませんでした。 でも、そういう中でもシム・ウンギョンさんの「あさ美」は、終始一貫して明るく、楽天的であり続けます。 そしてこのラストシーンは多分、夏帆さん演ずる夕佳が、「あさ美のように生きたい」「あらゆることに不平不満をつのらせて生きるのをやめて大らかに笑いながらすべてを受け入れて生きていこう」と思うようになった、という意味ですよね、私の理解が間違ってなければ。 だとしたら、そう思うようになった理由が、わからない。 だってその前にあるのは、上にも書いたように目をそむけたくなるような、おばあちゃんのシーンと老人ホームのシーンなんだから。 まあ要するに。 ストーリーはあまり深く考えず、夏帆さんとシム・ウンギョンさんによるライトコメディみたいなつもりで軽く見てる分には、まあまあそこそこ楽しめる映画だと思いました、ってことで。