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小さな恋のうた
2019年5月24日公開

小さな恋のうた

1232019年5月24日公開

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4.0

基地側から見るデモの怖さは目からうろこ

実は開始30分くらいまではチョイスを間違えたかなと思いました。遅い展開、やたらアップばかりのカメラ(イケメン俳優鑑賞映画か…)、やんちゃであまり好きになれない規則無視の高校生ボーカル(佐野優斗)、よく分からないポジションのバンドメンバーの妹(山田杏奈)、「待ってろよ~東京!」というベタなセリフに、極めつけは事故で記憶を失うというベタ展開。本編こんななのに沖縄基地問題まで絡めてきて、大丈夫? と思うも、その後ぐいぐい惹き込まれ、終わってみればなかなかのよい映画でした。基地に住むアメリカ人少女リサ役の前でフェンス越しに演奏するシーンとかすごく良かったです。あのフェンスは物理的な意味だけでなく、実はいろんなフェンス(障害)を象徴していているんですね。歌う歌詞に「ロミオとジュリエット」という言葉があり、決して色あせた設定ではないんだと実感します。  フェンスが消える一瞬、みんなが一つになれたと思うも、その後ろでは警察が「何、基地前で路上ライブやってんだ!?」とやんやん言っていたり 現実とファンタジーが一つになった感じが良かったです。  リサ役の子、すごい可愛いし、すごい演技上手いし、すごいいい子(設定上)だし、パーフェクトでした。 リサが両親には秘密で彼らのライブに駆け付けようとするシーン。基地のゲートの入り口で「アメリカに帰れ」とプラカードを掲げたデモ隊がいるわけです。車に乗ったリサ目線で撮影されているのですが、この恐怖感、目からうろこでした。当のアメリカ人からしたら、自分だって仕事上来ているだけなのに、現地民(沖縄の人)にこんなにも敵意を向けられている。これは恐怖ですね。  森永悠希くんは「ちはやふる」から注目していましたが、今回いい役に恵まれました。将来のムロツヨシ的なポジションかと思います。ドラムは「カノジョは嘘を愛しすぎてる(2013)」のときのバンドでもやっていましたね。 吉沢亮くんによく似たイケメンがいて、眞栄田郷敦くんって誰?と調べるとなんと新田真剣佑の弟だとか。 佐野優斗くんと山田杏奈さんのお2人は、終盤以降どんどん顔が良くなっていって、堂々としてきて、輝いて見えました。2人のボーカルのハーモニーをもっと聞いていたかったです。 佐野君がコメントしていましたが、ラストのライブシーン、会場の片隅に亡くなったはずの慎司(眞栄田郷敦)がいるわけです。監督からは絶対泣くなと言われていても、カメラが映っていないところではステージ上で3人とも泣きじゃくっていたとか。みんなが役になり切っていたことが伝わる、泣けるエピソードだなと思いました。

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