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小さな恋のうた
2019年5月24日公開

小さな恋のうた

1232019年5月24日公開

mam********

4.0

他とは一線を画す名曲インスパイア作品

名曲にインスパイアされた、という邦画が最近多いのは周知の通り。曲に位負けし、期待を下回ってしまう作品も多い。 本作はそんなことは無かった。若者たち、特に山田杏奈が存在感たっぷりに作品を牽引していて爽快感をもたらしてくれる。前半と後半で完全に主役が入れ替わってしまっているので、それが物語として正しいのかどうか心配になったぐらい。 確かに、仲間の喪失が絡む青春群像劇、しかも、バンドもの、という既視感は凄い。ただ、沖縄の基地問題に向き合おうとした製作サイドの覚悟が、他の同種作品とは一線を画した気品と緊張を本作にもたらしている。「国境越えちゃってんじゃん!」とか、ブランコのこととか、いくつか良いセリフ、シーンがあった。 ただそれだからこそ、セリフは沖縄の言葉中心にして欲しかったけれど。 自分の勝手な思いとしては、後半のあるシーンが凄く鮮烈だっただけに、あそこでばっさり終わったら良かったのになー、と思う。ぎゅっと凝縮された若者たちのエネルギーが一度に爆発するあの瞬間、アメリカ人の女の子も強引に合流させ、あとの事態収拾についてのあれこれや主人公たちのその後は思い切ってお客さんに向けて放り出しても良かったんじゃないだろうか。 ただ、繰り返しになるが良い映画だと思う。痛みと希望を確実に胸に刻んでくれる。だからこそ、色々言いたくなってしまった。ごめんなさい。

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