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劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer (2019)

監督
田崎竜太
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3.53 / 評価:432件

平成ライダーの開き直りが極まった怪作

  • msk***** さん
  • 2019年8月25日 19時37分
  • 閲覧数 1272
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

劇場版仮面ライダージオウOQという作品を言い表すなら、面白いかどうかで言うと面白くないのだけれど、好きかどうかで言うと好きになってしまう作品、と言えるかもしれない。

これについては、好きになるかどうかの分かれ目は簡単である。
まず平成仮面ライダーシリーズをウォッチしてきたかどうか、そしてそれらをメタ視線で俯瞰することに対して好悪どちらの感情を抱くか、ということである。

平成ライダーという作品群が歪なものであることは間違いない。映画で語られている設定の整合性やらなんやらだけでなく、デザイン、玩具の売り方、脚本の都合などと言ったものが複雑に絡まり合い、一種のキメラと化している。
恐らくこういった批判は視聴者の側、製作者の側問わずずっと出ていたのだろう。
仮面ライダージオウと言う作品は『平成ライダーの歪さ』ということを作品を通してのテーマとしている。そのために、ライダー史上でもかなり歪な作風にもかかわらず筋が一本通っているように思える。その上、ある意味歪であることを承知で作っているがために実は設定上の整合性が奇跡的にかみ合っているようにすら見えてしまうという、力技、あるいは反則技を使っているのである。
最終回まで見たうえで、もやる部分があちらこちらにあった。ソウゴとSOUGOの関係性、オーマジオウとの関係性、本編とOQの関係性、そういったものが繋がりそうで繋がらない。この物語の連続性が否定されているのか肯定されているのか、なんとも判別のつかない曖昧さこそ、仮面ライダージオウと言う作品の筋であり、魅力であると言える。その点で言えばディケイド以来のクロスオーバー中心作品と見た時、ディケイドの時に無かった誠実さ、テーマを通すという意味で明確な進歩が見えるようにも思える。

ただ、この『筋』。一本通っているのは結構だし、魅力ではあるのだが、作品として見た時にこの筋自体に疑問を抱いてしまうところもあるのである。
すなわちこの筋とは、平成年間の仮面ライダーに対する自己肯定になりたつものであり、それは一歩間違えれば開き直りにすらなってしまうからだ。。
この原因は一重に、この事件の首謀者たるクォーツァ―の平成ライダー批判に妥当性が無く、それに対する主人公たちのロジックもどこかずれているのではないか、と感じるからである。
クォーツァ―の目的は整合性のある仮面ライダーシリーズを作ること。醜い歴史をもう一度、やり直す、という考え方。これと歪な道を歩んでキメラ化した平成ライダーという存在。
物語において、これらは明確に対立するものとして描かれていた。だが、これらは物語のやり方の話であって決して対立するものではないのである。
クォーツァ―が唱えた整合性のある作品群、というのは財団Xによって作品をブリッジするw以降の試みを揶揄しているように思えてならない。
アベンジャーズみたいな作品を作りたい、という考え方が安易な考え方であることは否定しない。だが、この二つは作品の方法論であって大目的ではないはずである。これを二項対立としてテーマ化することはある意味、乱暴なことではないだろうか。
平成ライダーを否定する存在、それに対するアンサー、という構図自体は面白いのだが、まず平成ライダーに対する否定が否定になっていないのではないか、ということである。それに対して平成ライダー賛歌で答えるというのはサンドバックを作ってそれを叩いているように見えなくもない。そのため、「瞬瞬必生」という答えは自己肯定を通り越して言い訳のように聞こえてしまうところすらある。
とは言え、こうしたメタ視点を物語に置き換えようとする試みはディケイドで一度失敗したことでもあった。ジオウにおいて、それが完全に成功した、とはお世辞にも言い難い。だが、明確な物語を作りだしたのは間違いない。
物語が無いと開き直ったディケイド。
歪さこそが物語の証と開き直ったジオウ。
どちらも開き直りではあるが、一歩進んだ開き直りでもある。この後の10年、令和ライダーというものが積み重なったとき、その時にはどのような開き直りが見れるのか。それは楽しみしておきたい。

詳細評価

物語
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