ここから本文です

ワイルドライフ (2018)

WILDLIFE

監督
ポール・ダノ
  • みたいムービー 119
  • みたログ 133

3.46 / 評価:87件

アメリカの山火事って長続きするな~

  • bakeneko さん
  • 2019年8月5日 17時51分
  • 閲覧数 296
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

ピューリッァー賞作家リチャード・フォードの「WILDLIFE」(1990年)を個性派若手俳優のポール・ダノが丁寧に映像化した作品で、1960年のアメリカ西北部のモンタナ州に流れ着いた夫妻と長男の家族の葛藤と崩壊を冷静に見つめながら、少年の成長と家族の繋がりを切望する人間の心を浮かび上がらせてゆきます。

ケネディが大統領になった1960年のアメリカ。東部から流れてきたジェリー(ジェイク・ギレンホール)とジャネット(キャリー・マリガン)そして14歳の長男ジョー(エド・オクセンボールド)はモンタナ州の寒村で暮らしている。ジェリーが勤めていた地元のゴルフ場を馘になったことから、これまで都落ちを繰り返してきた夫婦の間に最後の亀裂が入り、ジェリーが山火事の消火隊に参加している留守にジャネットは水泳教室バイト先の男と不倫に奔る。崩壊してゆく家族を見つめるジョーは…という、数人の登場人物の心理葛藤を深く掘り下げてゆくドラマとなっていて、“同じく人気俳優だったロバート・レッドフォードが初監督したのも家族の崩壊を描いた「普通の人々」だったなあ~”と思い出させますし、過剰なドラマチックさを排した滋味な作劇は上達してからのクリント・イーストウッド作品の語り口も連想させます。
夫への不満と不安から次第に自制を失ってゆく妻:ジャネットと
自身のプライドから社会での居場所を狭めてしまっている夫:ジェリーの、
どうしようもない敗残感と、
ジョーがバイトする写真館の主人の職人としての矜持と人間に対する優しい抱擁感が対象を成していて、ラストでジョーの家族再生の想いが刹那的に叶う結びへと拠り合わさってゆく脚色も見事であります。

音楽もクラッシックから当時のヒット曲までバリエーション豊かに用いられていて、特に不倫相手のウォーレン・ミラーの家で掛かっている“モーツァルト:『証聖者の盛儀晩課』より第5曲〈主をほめたたえよ〉”♪を、ジャネットが“Cha Cha Cha Du Luop”♪に変えさせるシーンは象徴的であります。

静かに崩壊してゆく家族を冷徹に見つめながら、少年の成長と想いを透き通った抒情性をもって映し出してゆく佳作で、全てを飲み込んで勢いが止まらない山火事は、現実の過酷さを象徴していますよ!


ねたばれ?
あれ、“家内は出て行った“って言っていたのに…

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 泣ける
  • 悲しい
  • ロマンチック
  • 不思議
  • パニック
  • 不気味
  • 勇敢
  • 知的
  • 絶望的
  • 切ない
  • セクシー
  • かっこいい
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ