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工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男 (2018)

THE SPY GONE NORTH

監督
ユン・ジョンビン
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  • みたログ 426

4.11 / 評価:325件

「浩然の気」

  • fg9******** さん
  • 2020年11月19日 15時19分
  • 閲覧数 445
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

…あらすじは、横着をして、解説の次のとおり。
 『1992年、軍人のパク・ソギョン(ファン・ジョンミン)は北朝鮮の核開発の実態を把握するため、コードネーム「黒金星」という工作員として北に潜入する。
 3年にわたる慎重な工作活動の末、彼は北朝鮮高官や上層部と確固たる信頼関係を築く。
 しかし1997年、大統領選挙をめぐる祖国と北側の裏取引によって、命懸けで行ってきた工作活動の意味がなくなってしまう。』
 その裏取引とは、政権を維持するために、北朝鮮へ軍事行動を依頼していたというのだから驚かされる。
 権力を保つためには、敵であろうとも利用するのだ。
 こんな暗黒史にも等しいような裏工作を、映画として織り込んでしまう韓国映画の真摯さには頭が下がる思いだ。
 本作は、実在のスパイの工作活動を描いたサスペンスだが、序盤は聊か退屈だったものの、北朝鮮の対外交渉担当・リ所長と虚々実々の駆け引きを通じて、次第に信頼を勝ち得る過程が丁寧に描かれているので魅せられる。
 で、愈々、本丸に通されることを許されて、将軍様との謁見だ。
 この場面は、将軍様がそっくり過ぎて威圧感が半端ではなく、パクの心臓の鼓動が伝播したかのように緊迫感に打ちのめされてしまった。
 スパイ映画としてはアクション要素は皆無だが、パクとリ所長のお互いの祖国の存亡をかけての腹の探り合い、化かし合いはハラドキもので、それがある時点から真の男の友情に成り代わっていく様が心地イイ。
 友情の証か……相互にプレゼントを渡す。
 パクはロレックスをプレゼントし、リ所長はネクタイピンだ。
 そのネクタイピンには、「浩然の気」という文言が刻まれている。
 気になったので調べてみたら、次のとおりあった。
 「孟子の説いた説。人間の内部より発する気で、正しく養い育てていけば天地の間に満ちるものとされる。また、道義が伴わないとしぼむとされ、道徳的意味を強くもつ概念」
 10年後だったか、2人は偶然にて再開する。
 気を正しく育て続けてきたのだろう……2人は、屈託のない笑みを交わし合う。
 この場面は、2人の苦難の果ての穏やかさが満ち溢れていて目頭が熱くなり、非常に見応えありの佳作で、3.8点といったところかな。
 最早、へ理屈抜きで、韓国映画が好きだからという理由だけで、日韓関係は改善して貰いたいものだ。
 いや~、なかなか……、両国とも、本作以上の計り知れない裏事情が潜んでいるのかも知れないな。

 (メモ 総レビュー数:3868件、2020年度421作品目)

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