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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド (2019)

ONCE UPON A TIME IN HOLLYWOOD

監督
クエンティン・タランティーノ
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3.74 / 評価:2,120件

主演はあの時代とマーゴット・ロビー

  • eptmeptm さん
  • 2019年9月11日 22時09分
  • 閲覧数 1339
  • 役立ち度 12
    • 総合評価
    • ★★★★★

出演者の豪華な顔ぶれや精緻な美術にかかった予算からみればもちろん大型公開に値する商業作品なのだろうが、いかにもタランティーノ風といってもいいのだろうか、本質は映画好きの映画好きのための「自主映画」なのかなと思った。小手先の技術云々以前に、まずは映画というアートをどれくらい愛しているのか、それが作り手にとって一番大切なんだということを改めて教えられた気がする。

マーゴット・ロビー演じるシャロン・テートの映画館での無邪気な行動があまりに素敵。まださほど有名ではない自分のことを思い切ってチケット売り場でアピールしてタダ観を試みたり、客席で前席の背もたれに足を上げて座り、自分の演技へのお客さんの反応をひとつひとつ楽しんだり。

今の一般常識の視点から彼女はお行儀が悪いなどと無粋なことは言いたくない。スターを目指してきた人が、初めて映画に良い役で出演して目立つポジションにクレジットされたらきっと同じことを考えるだろう。役者でなくとも監督であれスタッフであれ、映画に関わる人の純粋な魂はいつの時代も変わらないはずだから。

史実としての彼女がその後どうなったかを考えれば、あのシーンを涙なしで思い返すことはできない。当時の映画界や、映画館、そして、社会にはあった純真さが今は失われつつあることをタランティーノは哀しみ、惜しみ、怒っていて、彼女が生きて、笑い、楽しむ姿をスクリーン上に蘇らせることで、観客に、現在の映画界がいかに息苦しくなっているかということを伝えたかったのではなかろうか。

ただし手放しで「あの時代の方が良かった」とも言っているわけではない。ヒッピー文化の表現と行動の自由、しかしその裏側にあった異常な抑圧と支配、薬物の蔓延、ベトナム戦争、スターに求められる性質の変化… 

光も影も、観客を退屈させる覚悟を持って丁寧に丁寧に再現、だからこそ、最後の彼らしい「破壊」が冴える。歴史を覆してでも「敵」はぶん殴って焼き払え。ラストの十数分は、「理不尽」「排除」「不寛容」に対するタランティーノからの強烈な反撃だったと思う。

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