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帰れない二人 (2018)

江湖儿女/ASH IS PUREST WHITE

監督
ジャ・ジャンクー
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  • みたログ 74

3.55 / 評価:47件

メロドラマの皮を被った現代中国社会の陰画

  • 肉影 さん
  • 2020年2月16日 12時23分
  • 閲覧数 335
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    • 総合評価
    • ★★★★★

21世紀の中国における社会の激動ぶりに翻弄される男女を描いたメロドラマ……もはやジャ・ジャンクー監督の真骨頂とも集大成ともいえるモチーフなのだが、2時間余りの上映時間に渡って展開される、いくつかの年代と舞台背景(地方都市)のそれぞれが暗示するメタイメージが掴めないとニュアンスもわりづらく、過去作(『罪の手ざわり』『山河ノスタルジア』)ほどの緊迫感も薄い。

やくざ者とその情婦が、ふとした事件から刑務所に収監され、出所しても音沙汰のない彼のもとに向かった女は、その彼に別の彼女ができたことを知る。失意のもと、郷里に戻った彼女のところに、半身不随で車椅子に乗った彼が泣きついてくる。障害を負った彼を連れ、もとの街に戻って経営者として辣腕をふるう女のもとから、彼はまたしても失踪する……。

先に「時代背景や舞台背景を知らない者にはわかりづらい」と書いたが、そういう要素を抜きにしても……さまざなま移動手段(徒歩に始まり、路線バスに乗り、乗用車に乗り、船に乗り、列車に乗り、バイクに乗り、新幹線に乗り、etc..)が出てくる本編を眺めているだけで、計画性のない中国旅行に出たような雰囲気にはハマれる(というか、そこが最大の見どころかもしれない)。

もうひとつの見どころを挙げるとすれば、(監督のミューズでもある)チャオ・タオが演じる〝女性の強さ〟(街頭で行われた結婚式に混ざってただ飯を食らったり、中華飯店の個室に集まる富裕層にタカったり、コソ泥に盗られた現金と身分証明証を奪還したり……)と、優しい癖に見栄っ張りで、ここぞというところで頼りにならないビン(リャオ・ファン)が演じる〝男性の弱さ〟のコントラスト。

街中で、クラブで、ホールで踊る中国の人々たちの様子も微笑ましい。路上ライブで(お世辞にも上手いとは言えない)ラブソングをがなりたてる(日本でいえばジャニーズみたいな?)青年シンガーの熱唱はもまた、現代中国社会を象徴するアイテムだった……のかもしれない。

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