あらすじ・解説
田所サキ(松本穂香)の父親トシフミ(渋川清彦)は無口で小心者だが酒に酔うと化け物のように変わり、母親(ともさかりえ)は新興宗教にはまっていた。そんな家庭で育ったサキは心を閉ざすようになるが、明るい妹や親友に支えられながら、家庭の崩壊を漫画に描くことで笑い話にしていた。ある日、父に病気が見つかる。
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作品レビュー(14件)
- zer********
3.0点
全然化け物ではなかった。確かにこれだけ酔われたらたまらないのだけど、暴力を振るうわけでなく、借金するわけでもない。優しくなりたい、この映画を観てそう思った。優しいとは何か。それも考えた。俺はこの映画が好きだな。
- lud********
1.0点
およそ10分で早送り。 特に評価すべき点は見出だせない作品だ。 ともさか、昔のように弾けて欲しい。
- fg9********
2.0点
…自粛生活中にWOWOWで映画三昧の日々を過ごし、レビューが一杯溜まってしまったので、ザックリと書くことにする。 …あらすじは、横着をして、解説の次のとおりだけでイイだろう。 『田所サキ(松本穂香)の父親トシフミ(渋川清彦)は無口で小心者だが酒に酔うと化け物のように変わり、母親(ともさかりえ)は新興宗教にはまっていた。 そんな家庭で育ったサキは心を閉ざすようになるが、明るい妹や親友に支えられながら、家庭の崩壊を漫画に描くことで笑い話にしていた。 ある日、父に病気が見つかる。』 タイトルからして、酒乱のDV親父かと思ったら、お人好しの酒に呑まれるクズ親父だった。 奥さんもそんな旦那を
- yos********
3.0点
私は酒を飲まない、いや飲めない。 厳密に言うと20代前半は飲んでいたが 自分には合わないと思ってやめた。 たまに酔って気分が良くなっている人を見ると羨ましいな と思ったり 飲んでイヤなことを忘れられたらいいな と思うこともあるが その前に気分が悪くなるので無理だと知った。 だから酔って絡んでくる人とか倒れてる人が非常に苦手である。 喫煙者を迷惑だと世間では言われているが 酒を飲まない私からすれば酒飲みの方が迷惑である。 だからこそこの主人公の気持ちがわかる。 アルコール依存症という言葉が認知されていない時代 毎日飲むという行為、止められない衝動、人格の変化 それらを“病気”という認識がなければ その人に向き合うことは難しかったのかもしれない。 いや、病気だと認識していたとしても きっと向き合って回復の手助けをすることは難しいと思う。 なぜ、依存してしまうのか? 甘えなのか、プレッシャーなのか それは心身健康な人間からは想像ができない。 どうしても繰り返す人間を弱い心の持ち主だと 呆れ、見放したくなるだろう。 ただこの主人公は描くことによって 自分を保つことができたことがよかったと思う。
- アニカ・ナットクラッカー
4.0点
今回取り上げるのは昨年3月に公開された『酔うと化け物になる父がつらい』。最近主演映画の公開が続く松本穂香が主演で、彼女の父親役を渋川清彦が演じている。渋川さんは意外にもファッションモデルから芸歴をスタートした人で、出演作を検索すると作品数の多さに圧倒される。最近では「偶然と想像」がベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞したばかりである。 映画の内容はタイトルにほぼ集約されている。僕が思うに「つらい」というのは二つの意味があり、一つは酔った父親の醜態に対して。もう一つは父親がいなくなった事に対する深い喪失感を表しているのではないか。私的評価は★4つで、ままならぬ人生について深く考えさせる良作であるが、漫画の吹き出しを多用する表現方法は実写映画には合わないと思う。 映画を観ていると自分が昔ひどく酔った経験、あるいは他人が泥酔した現場に居合わせた経験を思い出し、お酒を飲んでいないのに二日酔いになったような気分になる。どこか憎めない(家族はたまったものではないが)渋川さんの酔った演技と、父に対しての怒り・諦めから無関心、そして愛情へと移り変わる心情を表現した松本の演技はさすがである。 主人公の田所サキには、父親の他に足を引っ張る存在が2人いる。一人は母親のサエコ(ともさかりえ)で、「光合成」というカルト宗教にのめり込んだ挙句に、父親の誕生日に首吊り自殺。もう一人はフミの恋人となる東大卒の中村(濱正悟)で、外面は良いが酒癖が悪く暴力性向の強い男だ。カルト・自殺・酒乱・暴力と、この2人だけで悪の4冠達成だ。 サキの味方になる人も2人いて、明るい性格の妹フミ(今泉佑唯)と、看護師になった親友ジュン(恒松祐里)である。妹の存在は母親を喪ったサキを勇気づけたはずだし、ジュンは癌で入院した父親の病院に勤務している。父親をなじって罪悪感に苛まされるサキをジュンが肯定するシーンは、最大の名場面と言えるだろう(ただし吹き出しを使った表現はなくてもいい)。 父親に食道癌が発覚する場面は、これで酒に飲まれることはないという、ある意味救いを感じさせるシーンであった。それにしても発見した時点でステージ4とは、普段から健康管理に無関心であった証拠である。普通はここに至るまでに体調が悪くなり、お酒を美味しく感じなくなると思うが、吐血するまで飲み続けるアルコール依存症とは恐ろしいものである。 サキは崩壊する家庭の中にあって漫画に心の拠り所を見出し、ダメ元で懸賞に出した漫画が入選し、本格的に漫画家への道を歩む。「どんなにひどい出来事も、漫画にすれば笑いに変えられる」。このセリフに涙が出そうになったのは、僕がサキに深く感情移入したからだろう。悲惨な現実を笑いに変えた漫画で真っ先に思い出すのが、吾妻ひでおの「失踪日記」である。 平日は真面目な会社員である父親は、長女の漫画家宣言を怒ると思いきや「自分もかつては小説家になろうとしたが、どこの出版社も相手にしてくれず、書き溜めた原稿をみんな捨ててしまった。お前は頑張れよ」と、珍しく自分の過去を語って娘にエールを送る。父親が元気な内にこういう会話をもっとしたかった・・・。実際に父親を喪った僕自身も時々思う事である。 お酒にまつわる僕自身の苦い経験を書くと、大学の新歓コンパで限度を超えて飲んでしまい、泥酔して六本木の街路樹の下で倒れたことがある。スーツ姿のリーマンらしい男性が、親切にも駅まで誘導してくれて、終電は出た後だったのでタクシーに乗せてくれた。道すがら、朦朧とした状態でお礼を言うと「昔の自分のようで放っておけなかった」と語った。 大阪で勤務していた時、会社の飲み会で同僚が飲み過ぎて倒れ、救急車に同乗して救急病院まで付いて行った。その人は癌の手術をした経験があるので、万が一体調が急変したらと心配したのだ。金曜深夜の病院は戦場のようで、泥酔した若い女が「嫌や~!」と喚く声が待合室まで響いて来たものである。医療機関に勤める方々は本当にご苦労様ですと言いたい。 父親の同僚で友人でもある木下(浜野謙太)は酒も煙草も全くやらない男で、為に営業能力に難ありと見なされ、リストラ候補として子会社に出向させられてしまう。こういう人事は昭和時代からバブル経済にかけての価値観で、今の世の中では通用しないと思いたい。葬儀の後で語り合う木下とサキは、父親に言いたい事を伝え切れなかった似た者同志であった。 映画の最初のセリフは、父親が死んだ後でカレンダーを替えながら、サキが自分に問いかける「化け物は自分の方だったのかもしれない」である。映画タイトルの否定からスタートするわけで、父親にキツく当たり過ぎた自分を責めているのだ。しかし観通した僕の印象ではサキには何の落ち度も無く、落ち着いたらゆっくりと父親の呪縛から解き放たれてくれと言いたい。
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