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空の青さを知る人よ (2019)

監督
長井龍雪
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  • みたログ 1,870

3.96 / 評価:1581件

想像していなかった大人の恋愛ものだった

  • TとM さん
  • 2021年6月29日 12時33分
  • 閲覧数 718
  • 役立ち度 7
    • 総合評価
    • ★★★★★

この作品が面白くなかったり、よくわからなかった人は、メタ認知能力や他人の立場に立ってものを考える力に問題あるんじゃないかと思えるほどに面白かった。

作品内ではシンプルに「大人になると言ってはいけないこともある」と表現しているが、これは誰しも中高生くらいから徐々に感じることだろうし、大人になるにつれその比重は大きくなる。
ミュージシャンになる夢を叶えてあかねを迎えにいくという慎之介が半分くらい夢が叶っている状態で悩んでいる姿を本当に理解出来ないのであれば、やはりちょっと問題あると思う。

慎之介だけではなく、大人的配慮や大人的葛藤に悩んでいるのは、あかねやあおい、ミチンコと嗣道にまで及ぶ。
それぞれがそれぞれの想いを秘めているわけで、好きです付き合って下さい、イエスorノーのような単純な若者の恋愛とは違うもどかしさが面白い。
言葉とは違う想いが観ているコチラには透けて見えるどころか丸見えなのだから、全てのセリフの瞬間が最高だったとも言える。

物語は、もどかしい恋愛だけでは終わらず、大人の配慮に陥りすぎて見えなくなってしまったもの、タイトルに掛けるなら「空の青さ」ということになるだろうか。
つまり一番大事なもの、一番大事なことを見失うなというところにまで進む。

当然の着地であるとも言えるわけだが、ただなんとなくそういったエンディングになるのではなく、まだ大人の配慮に飲み込まれる前のしんのが登場し、直接対峙することで、忘れかけていた一番大事な想いに気付く流れは秀逸だ。
その中で、あかねだけは大事なものを守っていたと、あおいやしんのが気付くのもいい。常に大事なものは「昆布のおにぎり」なのだ。

そもそも、何の目的もなく13年前の人物が現れ、現在の人物と同時に存在しているというのは斬新すぎる。上っ面のストーリー的にはしんのがいなくたって問題ないわけだからね。
でもしんのは13年前と今を繋ぐ重要な役どころで、過去と現在を同時に見せつつそれに気付かせるキーだからいないと始まらないんだよな。

しんのと慎之介、両方を吉沢亮が演じているが、その演じ分けは素晴らしかった。
二人が言い争う場面は泣けてくるほどに熱い演技で、名シーンになったと思う。

よく声優は本職にやらせるべきという意見を目にするが、本職の声優はどうしてもアニメ的な演技になるので(その辺を演じ分けられる声優もいるけど)アニメファンではなく映画ファンである私は映画の演技ができる俳優の方が好きだ。簡単に言えば「自然さ」だ。
自分がアニメ映画の監督だったら俳優をキャスティングするだろう。
そんな「自然さ」も備わった吉沢亮は本当に良かった。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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