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スケート・キッチン (2018)

SKATE KITCHEN

監督
クリスタル・モーゼル
  • みたいムービー 28
  • みたログ 28

3.52 / 評価:21件

That One Dayもあわせて観てね

  • dr.hawk さん
  • 2019年5月14日 8時01分
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

2019.5.13 字幕 大阪ステーションシティシネマ


2016年のアメリカ映画
実在するスケートクルー「Skate Kitchen」のメンバーが出演する少女が大人になる葛藤を描いたヒューマンドラマ
「MIU MIU WOMEN‘S TALES」にて製作された短編『That One Day』の長編化作品でもある
監督&脚本はクリスタル・モーゼル


物語の舞台はニューヨック州マンハッタンのロングアイランド

主人公カミーユ(レイチェル・ヴィンベルク)は17歳で、趣味はスケートボードだった

ある日カミーユはトリックの練習中に転倒し、股間を怪我してしまう
太ももに流れる鮮血を周囲の悪ガキたちは生理だと笑う

治療を終え帰宅したカミーユは、母リナータ(エリザベス・ロドリゲス)から「スケートボードをやめる」ように言われてしまった

そんな時、カミーユはInstagramにトリックの動画を上げていた「Skate Kitchen」というクルーを見つける

彼女らは女子会を募集していて、カミーユは母には内緒で家を抜け出し、会いに行くことになった


物語はカミーユが「Skate Kitchen」に加入し、そこで生まれる友情と拗れる感情の中で、ジャネイ(アーディリア・ラブレス)と恋仲であるデヴォン(ジェイデン・スミス)と親密になるところから動きだす

ついては離れるを繰り返すジャネイとデヴォン

ジャネイが怪我をしたこと、デヴォンからモデルを依頼されたこと、そしてデヴォンの友人たちとの関わりの中で少しずつ距離が離れていく「Skate Kitchen」とカミーユ

そして思春期に潜む「身体の変化」が彼女を未曾有の葛藤へと導いていくのである


物語の主題は「思春期の身体と精神の変化」を描いていて、両親の離婚を機に父と暮らしていたカミーユが、身体の変化に悩み母親を必要として今に至っている

だがそれぞれの想いは噛み合わず、親心としての心配をよそにカミーユはアイデンティティの獲得、自分の居場所探しに奔走する

そして遂には家を飛び出し、さらなる葛藤の世界へと飛び込んで行くことになるのである


物語はカミーユとデヴォンが親密になる一方で、カミーユはそれまでの関係性から距離を置いてしまう

そこにあるのは後ろめたさであり、かつての父や「Skate Kitchen」からでは「答えを紡げない=相談できない」という起因があった

こんな時カミーユは、「答え」を追いかけることに夢中になって、周囲との距離感が見えなくなってしまうのである


デヴォンは少し大人で、関係性を重視し欲望を抑えることができる青年である

彼はカミーユの存在とその関係性の変質を望まず、また劇中では語られないがジャネイのことも気にかけていたと感じた

腐れ縁であるデヴォンとジャネイの関係が壊れてもすぐに戻るのは、ジャネイが思春期の混沌の中にいるからであり、彼女の中で切れない何かをデヴォンは断ち切ろうとはしない

またカミーユの行動に逃避であることを見抜き、その弱さに付け入らない紳士的な部分を持ち合わせている

これが彼の哲学と倫理観であって、若干精神的に達観しすぎているきらいはあったが、同性として概ね理解はできる範疇である


またこの映画で特徴的なのが「SNS」を介した交流であろうか

Instagramを見てSkate Kitchenと繋がり、破綻した関係もダイレクトメッセージ(WhatAppなどのツールかも知れない)を通じて行われる

ひと昔前の人間からすると「会いたいの」とメッセージを送ってから、直接会って謝るという過程を踏むと考えていたが、今の若者たちは「SNS上で済ましてしまう」のである

これにはちょっと驚いたが、要は「SNS」という場が直接会うという事象と同じぐらい、それぞれの関係性の中に浸透しているということだろう

また話すよりも書くことによって、自分の気持ちを客観視できるという側面があり、この辺りの感覚はツールの中で生きる若者たちが「結果としての関係性の継続」を重視し、手段にこだわらない柔軟性があるのだなと感じた


いずれにせよ、等身大の若者たちがそのままスクリーンに投影され、過剰な演出がない

劇的に見えるイベントも淡々と語られ、それでもカミーユたちの未来は確実に変化している

うまくいかない現実とは得てして自然発生する行き違いであり、それは誰にでも起こることである

その時、自分の行動が周囲にどんな影響を及ぼすのか、また及ぼした後どうするべきか?

この悩みを話せてこそ、本当の関係になれると思うし、この映画で母娘が本当の母娘になれたことは感慨深いものである

失って気づく大切さ

愛情は距離とは無縁の中で、確かに募り重なっていくものだと感じた

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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