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ひとよ (2019)

監督
白石和彌
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3.83 / 評価:1336件

田中裕子の握ったおにぎりを食べたい

  • fg9******** さん
  • 2020年12月16日 15時00分
  • 閲覧数 842
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

…あらすじは、横着をして、解説の次のとおりだけでイイだろう。
 『ある雨の夜、稲村家の母・こはる(田中裕子)は3人の子供たちを守るため夫を殺害し、子供たちとの15年後の再会を誓って家を後にした。
 事件以来、残された次男・雄二(佐藤健)、長男・大樹(鈴木亮平)、長女・園子(松岡茉優)は、心に傷を抱えたまま成長する。
 やがてこはるが帰ってくる。』
 稲村家の母・こはるは「家を後にした」というよりは、自首して刑に服し、10年後ぐらいに出所したが、方々を転々とした後で、約束の15年が経ったので帰ってきたのだった。
 で、母との再会に戸惑う3兄妹の心の在り様が紡がれていく。
 長男・大樹は、夫婦関係が上手くいっておらず離縁を迫られていたが、両親は幼い頃に亡くなったことにして結婚していたので、母の帰還は嬉しかったものの、手放しで喜んでばかりはいられないのだった。
 次男・雄二は、しがないフリーライターで身を立てていたが、どうして帰ってきたのだと不貞腐れた態度を露わにしつつも、母のことを自分の商売のネタにしようと目論んでいるのだった。
 長女・園子は、母の事件以来、美容師への道は閉ざされ、スナック勤めで毎晩呑んだくれる自堕落な生活を送っていたが、「ケダモノから私たちを救ってくれたお母さんが帰ってきた」と素直に再会を喜ぶのだった。
 母・こはるは、3人の子供たちに「これで自由になれる。何にでもなれる」としてDV亭主を殺して収監され、マスコミも家族を守った聖女としてもてはやしたが、「人殺しの子供」というレッテルは常について回り、思春期の多感な心を蝕んだとしてもむべなるかなだ。
 で、母と3兄妹の心の打ちとけないぎこちない生活が続くが、母親が出所して戻ったことを知った心無い輩が悪辣なビラを貼ったりの狼藉を働くのだった。
 こはるはタクシー配車の有限会社を経営しており、自分の収監中は側近の男(今は社長)に委ねていたのだが、このような迷惑を被っても、社長(音尾琢真)並びに従業員たちは愚痴の一つも零さず、こはると3兄妹に親身になって接してくれるのだった。
 ヘビィーな流れが続く中にあって、彼らの存在は清涼剤的な良いアクセントになっていたな。
 でも、訳アリの佐々木蔵之介と息子のエピソードは突飛なように思われたのだが、3兄妹とのカーチェイス、雄二との取っ組み合いのケンカを演出するためにはやむを得ない筋書きだったのかも知れないな。
 また、大樹の吃音症も流れを滞らせるだけのように思えたが、DVオヤジのトラウマを際立たせるためには必要だったのかも知れない。
 それよりも、中学生だった頃の大樹には、一度ぐらいはDVオヤジから弟妹を守って歯向かって欲しかったな。
 若干苦言を呈してしまったが、こはるが3兄妹の不協和音を宥めるために、エロ雑誌を万引きする場面は最高のパフォーマンスで可笑しかったな。
 田中裕子を筆頭に役者陣の熱演は見飽きることがなく(脇役の音尾琢真も)、非常に見応えありの3.4点といったところかな。
 田中裕子の握ったおにぎりは、是非とも食べてみたいものだ。

 (メモ 総レビュー数:3888件、2020年度441作品目)

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