ここから本文です

上映中

ひとよ (2019)

監督
白石和彌
  • みたいムービー 584
  • みたログ 1,209

3.88 / 評価:975件

家族は壊れてなどいない。

  • じゃむとまるこ さん
  • 2019年11月13日 19時34分
  • 閲覧数 893
  • 役立ち度 37
    • 総合評価
    • ★★★★★

15年前に起きた事件で家族全員の人生が変わってしまった。
父による子供たちへの日常的に行われていた激しい暴力、あの雨の夜、もちろん計画的ではないと思う、とっさに判断した、しかし冷静に意思をもって。
それは、家族を救う、子供たちを救うということ。
昨今の虐待死の報道の多さを見るにつけ、母親は何をしていたのか?と思わざるを得ない事件が多い、この状況でこれを非難できるか、という事件です。

15年したら帰ってくる、その15年がきて、突然母は帰ってきた。
三人の子供たちそれぞれの15年は人には言えない苦しい心の内があっただろうとは容易に想像はつく。
母とどう接すればよいのか、理解を示す長男、反発する次男、愛を求める娘。
それぞれの心のうちは一筋縄ではいかない思いが渦巻いている。

しかし・・・である、愛憎表裏一体、葛藤も、反発も、憎しみも、恨みも、すべては愛するが故というところはあると思う、それを彼らがわかっていないわけではない。
では、母の行為を認めるか?と言えば他人からは簡単には言えないだろう。
自分たちを守るためだったとわかっていても、そのあとの苦難までは認められないということもあるだろうとも思う。
そのあたりの心の内を描くのはとても難しいように思う。

思わず感情移入させられるシーンも多くあるのだが、それが続かない、全体として上手く行っていない気がする、唐突感もあってこなれていないと思うエピソードも多い。

15年後の母は感情を抑えている、多くを語らない、しかしその心のうちはよくわかる、何ったって演じるのは名優、田中裕子さんですから語らずともわかる。
「自分のしたことを疑ったら子供たちが迷子になっちゃう」
それはよくわかります、だからその結果もすべて受け入れようとする。

映画ははっきりとした終わり方はしていない、しかし、とても重要なことが描かれている、子供たちそれぞれが、この映画で描かれる苦悩の出来事を通して、自分を肯定しようとしていること。
それこそが母の望みだったのだろう。

前半は良い出来だったと思うが、後半になり、佐々木蔵之介さんのエピソードが唐突であり、その展開も放置されたまま、これって必要かな?カーチェイスは要らないね~という、脚本に締まりがなくなったという残念さが残りました。

この映画、主演は佐藤健さんですが、俳優として一皮むけたというか脱皮しましたね~これからが楽しみです。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 泣ける
  • 切ない
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ