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上映中

田園の守り人たち (2017)

LES GARDIENNES/THE GUARDIANS

監督
グザヴィエ・ボーヴォワ
  • みたいムービー 55
  • みたログ 40

3.90 / 評価:29件

農耕機の遍歴とミシェル・ルグランの音楽

  • chu***** さん
  • 2019年7月15日 17時01分
  • 閲覧数 769
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

良いな、と思ったところ。
大きくて立派な体格の馬と牛。
多くのショットが風景画としても成り立っているところ。美しき姿、厳しき姿。
ミレーの絵画を思い出させます。
また、農地で立ち止まって歓談している農婦たちの意味深な顔つきをゆっくりと舐めるようにカメラがスライドしていくところ。
同様に、教会で執り行われた戦死した村の男たちの合同葬儀で同席の男たちの顔を同様にゆっくりとスライドさせるところ。
それら全部が絵画的であるところ。
当時の国債のことがちょっとわかる。
そして、男たちが不在の間に変わりゆく農耕機(遣り手の奥様たちなんです)

女主人を演じたナタリー・バイ。
厳しい姿勢がとても良かった。

そして、ミシェル・ルグランの音楽。
今年の1月に鬼籍となったミシェル・ルグランの最後の映画音楽です。

がっかりしたところ。(軽くネタバレ)
映画が悪いという意味ではない。むしろ現実を描いているのだが。
息子!(次男)
ほんとあんたにはがっかりだよ。

ときは第一次欧州大戦。
男たちは戦場へ。休暇で戻る息子や夫、兄弟を首を長くして待つ女たち。
来訪を恐れるは、戦死の知らせを携える使者。
回を重ねる帰郷に、暗い影を濃くして纏う息子たち。

物語の主となるは、大きな農場を持つ一家の女主人と、そこに期間奉公人として入った若き娘。
女主人は家を守らんと、奉公人は自分の人生は自分で守らんと。
二人のまなざし。
二人の決断が在りし日の日本の姿にも通じ、甘やかさない物語に、逆に物語の作り手の女性への敬意を感じる。

戦争が終わり、家族が集う姿に満足する女主人。
暮れゆく農場を満足げに見つめ、素直に幸いを口にする女主人。切り捨てたものに対する心の痛みは永遠に心に秘めるのだろう。そんな顔。
最後の娘の姿と言葉は、全ての子の母たる人の言葉だろう。
そして、娘の言葉は、農場の女主人もまた幼い息子をあやしながら誓った言葉であろう。

酒場の舞台で歌う歌うひとりの女。
そのまなざしの先にあるのは、誰だろう。

詳細評価

物語
配役
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音楽

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