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Fukushima 50 (2019)

監督
若松節朗
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4.20 / 評価:3793件

解説

多くの関係者への取材を基に書かれた門田隆将のノンフィクション「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」を実写映画化。世界を震撼(しんかん)させた東日本大震災による福島第一原子力発電所事故発生以降も現場に残り、日本の危機を救おうとした作業員たちを描く。『64-ロクヨン-』シリーズなどの佐藤浩市、『明日の記憶』などの渡辺謙らが出演。『沈まぬ太陽』などの若松節朗がメガホンを取り、ドラマシリーズ「沈まぬ太陽」などの前川洋一が脚本を務めた。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

2011年3月11日午後2時46分、マグニチュード9.0の地震が発生し、それに伴う巨大な津波が福島第一原子力発電所を襲う。全ての電源が喪失して原子炉の冷却ができなくなりメルトダウン(炉心溶融)の危機が迫る中、現場の指揮を執る所長の吉田昌郎(渡辺謙)をはじめ発電所内にとどまった約50名の作業員たちは、家族や故郷を守るため未曽有の大事故に立ち向かう。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2020「Fukushima 50」製作委員会
(C)2020「Fukushima 50」製作委員会

「Fukushima 50」いつかは誰かが描かねばならなかった。あの日現場で起こっていた「死闘」に衝撃

 実に生々しく、恐ろしい。起こった出来事の怖さだけではない。この事実を知らなかったことが、恐ろしいのだ。

 3.11のあの日、福島第一原子力発電所の中で何が起こっていたのか。90人以上に取材した門田隆将氏のノンフィクションをもとに、作業員たちの闘いをリアルに描いた作品だ。

 津波によって電力を失った福島原発。1・2号機の当直長・伊崎(佐藤浩市)は作業員と原発内に残り、所長の吉田(渡辺謙)は東電本店とのやりとりに追われる。しかし原子炉内の圧力は刻一刻と上がり、このままではメルトダウンを起こし、放射能がばらまかれてしまう。緊迫と焦りのなか、伊崎は原子炉内に入り「ベント」を行うことを決断するが――。

 震災から9年。いつかは誰かが描かねばならなかった。しかしやはりいま、この題材を映画化することには、相当な勇気が必要だったはずだ。そこに日本を代表する名優二人をはじめ、多くの役者とスタッフが賛同した。敬意を表し、その意味を噛みしめずにいられない。

 これほどの死闘が、あの現場で起こっていたとは。同じ日本にいながら、どこか傍観者だった自分を恥じてしまうほど、衝撃は大きい。ギリギリの状況下で「若いもんは行くな」というセリフが何度も出てくるのも印象的だ。実際、タイトルの「50」にはその意味も込められているのだと、取材時に佐藤浩市さんが教えてくれた。「50歳以上が、まず行く」状況だったのだ。さらに年長者たちには「自分たちが生み出したものへの落とし前」という気持ちもあっただろう。

 事実を知り、過去の過ちに学ばなければ、未来はない。それは確かだ。だが、そこにある複雑さも本作には描かれている。福島出身の伊崎は子どものころ、地元に原発が来ることを心から喜んだ。父の後を追い、自分も原発に就職した。「俺たちは間違っていたのか?」――そう問う伊崎の言葉は重い。是が非か、善か悪かは簡単には測れない。まずはこれを語り継ぐこと。考えさせること。それこそが、この映画の意味だろう。(中村千晶)

映画.com(外部リンク)

2020年3月5日 更新

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