インド階級社会は今も厳然と存在してるんだ
- bakeneko さん
- 2019年12月10日 9時58分
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ムンバイ出身の女性監督ロヘナ・ゲラの長編デビュー作で、田舎からメイドとしてムンバイの上流家庭でメイドとして働いているヒロインと、長年恋人関係にあった許嫁に結婚式当日に逃げられた御曹司の心の接近を繊細な心理描写で語って行くロマンチックドラマですが、現在も存在するインドの身分格差の様子も華燭なく映し出されています。
農村で若くして未亡人となったラトナ(ティロタマ・ショーム)は、妹の学費を稼ぐために大都会ムンバイに出てきて建築会社の御曹司の新婚家庭に勤めるはずだったが、結婚式当日に婚約者が出奔して破談となってしまう。当面一人残された傷心の御曹司:アシュヴィン(ヴィヴェーク・ゴーンバル)の世話をすることにしたラトナだが、アメリカ帰りで身分格差に拘らないアシュヴィンの心遣いを好ましく思い始める。メイドの仕事の一方でファッションデザイナーになるべく寸暇を惜しまず奮闘するラトナにアシュヴィンも惹かれてゆくが、インド社会の身分格差が二人の恋を躊躇させて…という身分格差恋愛譚で、森薫の漫画「エマ(Emma)」を彷彿とさせる恋愛譚となっています(恋愛が絡まない老メイドと雇い主(アンディ・ラウ)の心の触れ合いを描いた佳作としては「桃さんのしあわせ」もお薦めです)。
使用人は台所の床に座って食事をするー未だに存在している前近代的なインドの階級制や結婚感に驚かされる作品ですが、同時にインドの田舎の未亡人への扱いといった古い因習なども華燭なく語られて、インドの現在を知ることが出来ますし、ムンバイの服飾店や市場の端切れの色彩はとってもカラフルですよ!
ねたばれ?
1、ラトナは最初 婚約者側(妻御付きの)メイドとして雇われたことが、運転手たちとの会話で判ります(それで、“普通出てゆくだろう?”という風に言われたのですね)。
2、普通の使用人は主人が居ないとリビングでTVを観ているんだ!(負けちゃいないなあ…)
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