アラビア海を臨むビルの屋上の情景が最高
- yab***** さん
- 2020年3月16日 20時46分
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恋愛を人間愛に昇華させること。そんな難しいテーマが描かれているような気がする。
「恋愛物語にすることで、平等と抑制からくる力を通して、階級間の隔たりを越えることができないというテーマを探ること」
監督のロヘナ・ゲラはインタビューでそう言っているが、僕はあくまで人間愛にこだわりたい。
ニューヨークで気ままに暮らしていて、離婚でムンバイに戻った建築家の御曹司。かたやデザイナーが夢の田舎から出てきたメイド。彼女は未亡人。インドでは階級はもとより未亡人も差別される。口減らしで故郷にも帰れない。
人生の目標を失った御曹司。彼は、自分にはない夢を持って輝いている彼女に手助けしたいと思うようになる。当然男だから女性として意識するのは自然のなりゆき。でも、それよりも人間愛が勝っていく様が本作の魅力。恋愛を抑制するふたりの戸惑いが心を揺さぶる。
人間愛に目覚めることは、階級間の隔たりばかりでなく、男女の性差も越えることなんだ。
アラビア海を臨むビルの屋上の情景。ふたりの心象風景が見事に映し出され、息をのむ。
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