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午前0時、キスしに来てよ
2019年12月6日公開

午前0時、キスしに来てよ

1152019年12月6日公開

Dr.Hawk

2.0

ネタバレビジュアルに説得力のない現代版シンデレラ

2019.12.10 イオンシネマ京都桂川 2019年の日本映画 みきもと凛原作の同名漫画の実写化作品(別冊フレンド、講談社、2015年〜) 真面目な女子高生と国民的アイドルのラブロマンス&コメディ映画 監督は新城毅彦 脚本は大北はるか 物語は国民的アイドルの綾瀬楓(片寄涼太、GENERATIONS from EXILE TRIBE)のCMシーンから紡がれる 美女とのキスシーン それをスマホで観て歓喜の声を上げる女子高生 そんな彼女らとは一線を画すのが主人公の花澤日奈々(橋本環奈)だった 彼女の趣味は「勉強」 親友の磯山光(岡崎紗絵)にからかわれても関係なし そんな日奈々を密かに想っているのが幼馴染の浜辺彰(眞栄田郷敦)で、光にはバレバレだが何も言えずにいた 物語は日奈々の学校での撮影にエキストラで参加するところから動き出す そして後日、趣味の映画鑑賞に早く着いてしまった日奈々が、時間つぶしにUFOキャッチャーで遊んでいるところで楓と再会を果たす 楓のアドバイスでぬいぐるみを取れたものの、つい名前を呼んでしまった日奈々 ファンに気づかれた楓は仕方なく日奈々を連れてその場を去る そしてその時に日奈々の靴が壊れてしまったのである 自分の靴を貸して去った楓は、翌日壊れた靴を直して学校に現れる そして「まるでシンデレラのように」日奈々に靴を履かせるのであった 死語に近い「キュン死」の続発で、芸能人との秘密の恋が進展 ついには合鍵まで貰う仲となり、秘密のデートは「穴場の名画座」と「楓の部屋」、そして「貸切遊園地」という具合に発展していく だが「芸能人との恋愛あるある」である「スクープ」がふたりを引き裂く もともと16歳の女子高生との交際(俗に言う淫行)なので、人気商売の楓にとっては致命的 そんな仲、元カレの内田柊(八木アリサ)とのドラマ共演なども降りかかり、日奈々は恋を諦めることになる だが「障壁が大きければ大きいほど燃える恋心」は「大人の対応」の中でさらに増幅し、3年間の冷却期間を経て結実へと繋がっていく その「結実」をもたらしたのが、日奈々を想い告白までしてフラれた彰だった 日奈々を悲しませたくない一心で楓に送った手紙は、マネージャーの高橋茂雄(遠藤憲一)の心を揺さぶって楓の元に届く ふたりを理解する彰と高橋は「楓の3年間の努力と日奈々の想い」を受け継いで「ふたりをふたりの世界」へと戻すのであった ビックリするぐらいの「王道シンデレラストーリー」で「身分の違う恋愛劇」をド直球で投げ込んでくる 起こることは想定内で驚きはないものの、「日奈々の異世界への迷い込み」から「それらが日常のように錯覚」し、そして「スクープによって現実世界へと引き戻される」という流れの中で「映画館」「CM」「TVでの記者会見」という場所を設定するところが構成の妙だったように思う 映画館で虚構に入った日奈々は、映画館で虚構との別れを告げる そして「映画」を通じて「楓の本質」に迫り、「映画賞受賞」によって「楓の成長」を描いていく シナリオの構成も王道で、万人にわかるような丁寧な構成であったと言える だがこの映画の駄作ポイントは決定的で、それは「ビジュアルに説得力がまったくない」という点である 現実とのリンクもさることながら、国民的知名度では雲泥の差である片寄涼太と橋本環奈の配置、そして橋本環奈と八木アリサのビジュアル対決 どちらも嫌がらせのような皮肉にしか思えないセリフの応酬でどことなく虚脱感があった まあファンの方には申し訳ないが、女子高生役に橋本環奈というのが拷問に近いレベルになっている 「もう少し絞って」内田柊役とかの方が違和感がなかったかも知れない 綾瀬楓の設定も国民的スターではなく「今ブレイク中の若手俳優」ぐらいでちょうど良かったのではないだろうか メディア展開のゴリ押しみたいな感じで、元FunnyBoneのメンバーが「納得できねえ」ぐらいの確執の方がリアル路線のような気がした いずれにせよ、話の展開がうまいので最後まで鑑賞できるのだが、今時こんなおとぎ話を信じている女子がいるのかは謎である 対象年齢は日奈々の妹ぐらいだろうし、リアルに高校生以上が熱を上げていたら将来が危ぶまれると思った方がいいかも知れない 虚構の中の人は「虚構を崇拝する女性」を恋愛対象にはしない あくまでも現実世界の中で「虚構で戦っていることを忘れ去れてくれる人」に惹かれるはずである また虚栄心が強すぎる虚構の人は、自分のイメージ戦略のために「装飾品としての女性」を選ぶと思われるので、実質「ファンの人が対象になる」というのは稀有ではないかと思う 夢を壊すつもりはないが、「虚構の人は心の拠り所」に留めておく方が健全であると思うが、大きなお世話かも知れません

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