ここから本文です

上映中

37セカンズ (2019)

37 SECONDS

監督
HIKARI
  • みたいムービー 251
  • みたログ 492

4.31 / 評価:418件

「みんな誰もが同じ」と人は認めない?

  • hir***** さん
  • 2020年2月29日 19時13分
  • 閲覧数 580
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

(1)脳性麻痺の貴田夢馬(ユマ)23歳!
出生時37秒間呼吸ができなかったため、手足が自由に動かない脳性麻痺の貴田夢馬(ユマ)23歳。過保護な母親(ユマが生まれてすぐ父親と離婚)とユマは住む。ユマは車椅子生活を送り、漫画家のゴーストライターとして空想の世界を描く。ユマは自立するためアダルト漫画の執筆を望むが、編集者から「リアルな性体験がないと良い漫画は描けない」と言われる。ユマの新しい友人で、障がい者専門の娼婦の舞が、ユマに外の世界を見せる。それを知ったユマの母親は激怒する。ユマは家出する。介護ヘルパーの俊哉がユマを支える。ユマの漫画(アダルト漫画でない)が新人作家として認められるところで、映画が終わる。
《感想》夢のような作品だ。現実には経済的余裕の問題が立ちはだかる。①ユマの家は立派で母親は一定の財産を持つ。②脳性麻痺の女性の自立は現実には厳しい。ユマが新人漫画作家として認められるという想定は、そうなってほしいという夢だ。
(2)主人公のユマ役:佳山明さん!
主人公のユマと同じく脳性麻痺で、社会福祉士として働いていた佳山明が、オーディションで主演に抜てきされた。
《感想》佳山明さんが喜び・楽しむシーンがとてもいい。
(3)「障害者と性」!
『37セカンズ』は、ロサンゼルスを拠点に活動するHIKARI監督の長編デビュー作だ。成人向けマンガを描く女性を取材し、「障害者と性」について学んだことが今作の構想のきっかけとなったという。「そばにいて欲しい、ハグして欲しい、キスしたい、そういうことをできない女性たちへのサービスについて興味を持ちました」とHIKARI監督が言う。
《感想》「障害があると言っても、気持ちは普通の人となにも変わらない」というユマの発言が印象的だった。
(3)-2 「身体」:人間にとって最も基礎的な「環境」!
セックスセラピストの方から「女性は好きな人であれば心がつながって快感を得られる」と聞いたとHIKARI監督が言う。また「下半身不随の方のインタビューでは『尿意を感じることができないので、一定の時間でカテーテルで排尿する日常を送り、出産でも力を入れることができないのに、赤ちゃんはお母さんのために自ら出てきて、自然分娩ができる』と教えてもらった」という。
《感想》「身体」は、人間にとって最も基礎的な「環境」だと言える。つまり「身体」は自分でなく、自分の「環境」だ。
(3)-3 「女性がひとりの人間として、どんどん前に進めるような作品」!
HIKARI監督が言う。「障害を持つ女性たちが向き合う性はどういうものかを取材したところ、やはり人それぞれで、快感を覚える人もいれば、身体がコンプレックスで他人とは関わりたくない、見られたくない、という人もたくさんいます。でも、皆さんすごくきれいだし、やりたいこともやっているし、ただ障害があるだけ。女性がひとりの人間として、どんどん前に進めるような作品を作りたくなったんです。」
《感想》「やはり人それぞれ」とのHIKARI監督の感想はもっともだと思う。「女性がひとりの人間として、どんどん前に進めるような作品を作りたくなった」との監督の意図はこの映画で実現している。
(4)「みんな誰もが同じということに気づく」!
HIKARI監督は、マイノリティと呼ばれる人々へのフラットな眼差しを持つ。「デビュー作は戦後のレズビアンの話ですし、黒人と白人が恋愛できない時代を描いた作品もあります。世の中で一般じゃないと思われてるのが、他の国に行けば常識だったりすることもある。その違いを受け入れれば、みんな誰もが同じということに気づく。そうすると、人種差別やジェンダー差別がなくなる。そういった、当たり前のことをまだ知らない人達にお見せしたい。そういう気持ちでミックスジェンダーなどを扱ってきました」
《感想》「みんな誰もが同じ」とは人はそう簡単に認めない。例えば「能力ある人間」と「無能な人間」は「同じ人間でない」との見方が、今、広がっている。恐ろしい時代だ。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 勇敢
  • 切ない
  • かわいい
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ