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存在のない子供たち
2019年7月20日公開

存在のない子供たち

CAPHARNAUM/CAPERNAUM

PG121252019年7月20日公開

kin********

2.0

ネタバレ直球すぎる

中東に限らず、貧しい国にはこの映画に描かれたような、ろくに親の庇護を受けることが出来ない、悲しい子供たちがいる。世界規模で見れば人口は増えすぎなのであり、無計画に子供を作るな、というメッセージは実に正しいだろう。  それにしても救いがない。何しろ12歳の少年が殺意を持って包丁を握り、親を追うのだから。犯行が完遂されなくてよかった。  問題提起に映画を使う、それはアリだと思う。だけど、オーソンウェルズが言ったように「メッセージがあるなら電報を打てばいい」。映像による“表現”が映画なのであって、いくら深刻な問題を真面目に描いていても、これほど生々しくストレートだと、やっぱり私は引いてしまう。  子役たちの演技は目を見張るほど自然だが、脚本と演出はシーンとシーンがボキボキと音をたててつながりを拒否し、感情移入を阻んでいる。  開始から1時間以上経って、主人公の少年が赤ん坊とともに生きる決意を明確する辺りでやっと少し感情移入できた。それもまた赤ん坊と別れてからは、もとのような居心地悪い描写が続く。  全体としては正直退屈した。いくら親を恨んでも「僕を産んだ罪で有罪」を求める子供というのが、作者が都合よくこしらえた絵空事だからだと思う。

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