ここから本文です

存在のない子供たち (2018)

CAPHARNAUM/CAPERNAUM

監督
ナディーン・ラバキー
  • みたいムービー 360
  • みたログ 760

4.32 / 評価:604件

洗練された演出技法が裏目に・・・

カメラワーク、キャスティング、音楽、すべてに洗練されている。
洗練というのはよい意味でもあり、反対の意味でもある。

現在の裁判シーンから、過去の出来事へと行きつ戻りつ、最後に未来へのかすかな灯りを見せる、一切笑わなかった少年ゼインが見せたチャーミングな笑顔を見せるとき、この映画が単なる告発映画ではないということがわかる。

だけど、だけど、何とも言えない違和感がある。

中東の貧困と移民問題、それは今や全世界に広がっている、日本も例外ではない。
ここで描かれている、出生証明のない子供(無国籍者)、児童婚の実態、臓器移植のための子供の売買、これらは先進国に暮らしていればかかわりのない問題のように見えるが、実はそうではない。
それを突き付けてくる映画になっていれば、心に突き刺さるものがあったのだろうが、終始、映画のお話として観てしまう自分がいた。

原因の一つは私自身の年齢もあるだろう、もっと若ければ感じ方も違ったかもしれない。
擦れた(そうかな~?)おばちゃんには、すでに知っている諸問題・・つまり既視感がある・・・を洗練された欧米の映画技法で見せてくれた、という風に見えてしまった(知ってるから、という傲慢な気持ちではなく、知らないことはもっとたくさんある、いや、ほとんど知らない、そこを見せてほしいと思うわけです)。

主人公ゼインをはじめ出演者のほとんどは、演じる役柄によく似た境遇にある素人を集めた・・・・ということだ。
しかし、結果として、ゼインも妹もありきたりではない魅力がある、これを監督の腕によるものととるか、いや待てとこだわるか・・・・
何の考えもなく子供を産む愚かな母は愚かには見えない聡明な容貌を持っている。
盥に赤ん坊を乗せ、鍋類をいくつもぶら下げて”日本だと国道”というような道を行くゼインの後ろ姿の映像、この映画のメインになる映像だろうが、あまりにも”絵”になることを意識しているように見える。


両親を告訴する。こんな世の中に僕を産んだから。

何というか・・・高評価だし、もちろん良い映画ではあると思う。
でも、作為的臭いが鼻について・・・ムムムというところありました。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 悲しい
  • 勇敢
  • 知的
  • 切ない
  • かわいい
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ