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隣の影 (2017)

UNDIR TRENU/UNDER THE TREE

監督
ハーフシュテイン・グンナル・シーグルズソン
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3.32 / 評価:100件

笑えばいいと思うよ。

「ミセス・ノイズィ」のパンフレットでこの作品のタイトルだけ紹介されていて観たところ…凄いの観てしまった!
 
欧州の映画ってカップルで観ると微妙な空気になりがちですが、これもそう。笑い飛ばせるかどうかの度量を試される作品!どんよりしちゃう方もいそうですね。
 
ネタバレに関して個人的には、情報を取る側、読む側の自己責任だと思っているのでいつもは気にせず書いてますが、この作品についてはご覧になった時の驚きを大切にしたいので書かないつもりです。けどもしかしたら勢いで書いてしまうかも知れません。
 
倦怠期感漂うアトリとアグネス夫妻。
いつもどおり夫婦の営みはなかった今夜、夫アトリがPCでエロ動画視聴してるところを見てしまうアグネス!よく見ると男はアトリで、相手は共通の友人…慌ててノートPCの蓋を閉じるアトリだが、連携してるデスクトップの大画面で再生されるコメディシーンが本作のファーストインパクト。このシーンのおかげで、笑えばいい映画なんだなと思わせる巧みさ。

この動画、アグネスと付き合うより前のもので、浮気現場ではないことが後で分かるけど、そういうことじゃなく、は?ずっと持ってたん?なんのために?わたし放置しておきながら??よけいに複雑に傷ついていくアグネスと、哀れというかカッコ悪いしかないアトリ(笑)。
 
追い出されたアトリが一時避難した実家では、隣家から「木が大きすぎてうちの庭が翳るから切ってくれ」と苦情が。
多少剪定はするつもりだったけど、隣家夫人の日光浴のために切るつもりなどさらさらないアトリの両親。この両家は共に決裁権限は奥さんにあり、それぞれ夫が対外交渉役という点も笑えます。
 
で、アトリ両親と隣家との関係がギスギスしていくんですが、アトリ両親の愛猫が行方不明になり、それを火花として疑心暗鬼戦争が勃発します。
タイヤがパンクする、物が壊れるなどなど両家に不可解なことが起こりはじめ、もう我慢ならない両家はお前たちがやったんだろうと責め合う。
 
アトリ夫妻の悲喜劇も同時進行。
まあまあ反省していて、愛娘と離れたくないアトリがアグネスの出勤を尾行するちょっとしたカーチェイスがまた滑稽極まりなくてめちゃ面白い!職場を混乱に陥れる痴話喧嘩、最高です!
アトリ&アグネスのテラスハウスで住民会議があるんですが、バツの悪そうなアトリを目の前にして、住民にアトリの所業をすべてシェアするアグネス…このあたりは「フレンチアルプスで起きたこと」的な映画史に残すべきAEDが必要な緊迫の場面で、もう面白すぎる!
 
そんな中、アトリ両親には長男がいたことが物語の中でうっすらと語られます。
行方不明になり、状況的に自殺と思われたが、遺体がないため母親はそれを受け入れられずにいた。愛猫の行方不明が必要以上に隣家の疑いを煽っていくことの説得力があります。一方、隣家夫婦は懸命に不妊治療をしていることも一瞬のシーンで観る者に分からしめる上手さ。
 
「ミセス・ノイズィ」のパンフレットに、似た作品としてタイトルが挙がっていたことに合点がいきます。
人それぞれに事情があり、他人の人生の真実は誰にも理解できはしない。
 
気の毒なのがアトリの愛娘。超かわいい子役さんで、自分の知らない事情で両親がギスギスしていく点に胸が痛みます。
そして物語は、シェパード犬をまさかの巻き込み方で扱いますが、それと両家とアトリに起きる出来事や、ラストシーンというか大爆笑のラストカットについてはやっぱり書くのをやめておきます。
 
劇判が独特で、サスペンスを盛り上げてシリアスなムードを醸し出しますが、これが実に巧妙なミスリード!
それに騙されることなく、碇シンジなら「笑えばいいと思うよ」と言うだろうし、「体操ザムライ」の荒垣玲ちゃんなら「笑えばええんやで」と言うに違いない。たっぷり笑わせてもらいました!凄い作品だ!
 
最後に。
Mr.Childrenに「CENTER OF UNIVERSE」という大好きな曲があるのですが、歌詞にならって、隣の家のレトリバーにもハイボンジュール!と、向かいの家の柴犬にもハイボンジュール!と生きていこうと思いました。
あと、スマホやPCに保存し過ぎはよくないですね(汗)

それから本当の最後に、監督はハーフシュテイン・グンナル・シーグルズソンという知らない人ですが、役者さんたちの名前がステインソウル・フロアル・ステインソウルソン、エッダ・ビヨルグヴィンズドッテル、シグルヅル・シグルヨンソン、ソルステイン・バフマン、セルマ・ビヨルンズドッテル、ラウラ・ヨハナ・ヨンズドッテルって感じなんですがアイスランド語って凄い。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

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