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上映中

ジョーカー (2019)

JOKER

監督
トッド・フィリップス
  • みたいムービー 2,292
  • みたログ 1.4万

4.10 / 評価:11670件

狂っているのは彼か?世間か?

  • A/Y さん
  • 2020年6月4日 1時10分
  • 閲覧数 1963
  • 役立ち度 15
    • 総合評価
    • ★★★★★

悪夢のような映画だ。
けれど、このような世界に、すでに現実は全体として近づいている…、
いや、表に現れないようなところに、すでに無数に存在していると言っていい、
彼のように犯罪に手を染めてしまうところまで行かずとも。
格差はどんどん広がり、ポピュリズムは蔓延し、人々は分断、孤立し、互いに監視し合うくせに無関心で、すべて自己責任とされてしまう社会。吐き気がする。

救いのない映画である。
が、このような映画があるということを、かろうじての救いと言うべきかもしれない。
観る者を思考停止に陥れるようなもので世の中は溢れているし、社会システムが自体がそうなってしまっている。絶望的な気持ちになる。

この映画はエンタメとしても楽しめるかもしれないが、
ただ空想の絵空事、虚構の世界として楽しむのではなく、
あくまでも現実の「写し鏡」として観られることを切に望む。
そして、観る前と後で、他者に対する想像力が、わずかでも変化したり、広がったりした方がいたなら、その数だけ、この映画も、その主人公も救われることになるのだと思う。


余談だが、
まだ小学生の頃(20年以上前か…)、金曜ロードショーでやっていた『バットマン』でジョーカーが悲惨なやられ方をしている場面に、友だちのお姉ちゃんがふと「かわいそう…」と涙ぐんでいるのを見て、「え〜っ、こんなひどい悪者に、そんなこと感じる人がいるんだ?」と驚いたことを思い出した。
今になって、あの時のお姉ちゃんの感受性って、ものすごく大切な、美しいものだったんだなぁ、それがあの時の自分には分からなかったんだなぁ、と思った。
むろん、彼女はジョーカーが抱える痛みや苦しみなど知らなかったように思うが、単純に、貴賎なきはずの「いのち」が強いられている屈辱を前にして、そのことに共に傷つくような感受性(可傷性)が強かったということなのだろう。
そして、そのような感受性だけが、到底分かりあえないような他者との共生を可能にするはずなのだと、今、私は信じていたりする。

(メモ)
・緊急事態宣言からはじまる
・主演俳優の身体、存在のありよう、ダンスが素晴らしい。(あの背中!!)
・理解しようとしてくれる人は誰もいない。最底辺。笑病が痛ましい。
・チャップリン映画を見ている時の笑顔だけは、素直な優しい表情が見えた気がして、とっても切なくて印象に残った

詳細評価

物語
配役
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音楽

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