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上映中

ジョーカー (2019)

JOKER

監督
トッド・フィリップス
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  • みたログ 5,931

4.10 / 評価:4,789件

ジョーカー誕生の説得力に脱帽

  • UrbanDockGoer さん
  • 2019年10月10日 4時47分
  • 閲覧数 1338
  • 役立ち度 69
    • 総合評価
    • ★★★★★

予告編からして異様な空気が満ち満ちていた。 ヴェネチア映画祭でも金獅子賞を受賞したと聞けばさらに期待が高まった。

“ダークナイト”をビデオでさらっと観た程度でジョーカーに思い入れは無いが、28歳のヒース・レジャーの強烈なインパクトと彼の死後に映画が公開されたという逸話が記憶に残っている。さて、ホアキン・フェニックスのジョーカーは? と期待を持って鑑賞。


いやいや、凄い映画だった。


【物語】
アーサー(ホアキン・フェニックス)はコメディアンを夢見ていた。しかし、現実は店の客引き用ピエロに扮して街角に立ちながら、安アパートで年老いた母を面倒を見る日々。

また、アーサーは子供の頃から時々不意に笑い出すなど、やや精神を病んでおり定期的に市の無料カウンセリングを受けていた。しかし、どんなときも彼の心は満たされることはなく、孤独と疎外感を強く感じながら暮らしていた。

それでも地道に生きていたのだが、あるときから彼の境遇はさらに悪い方向へ転がって行く。


【感想】
希代の悪役ジョーカー。言ってみれば精神破綻者だが、彼の心が壊れてしまうまでの物語。

こういうことが重なれば、人間壊れてしまうだろうなと、
同情、共感というよりは、心が痛む物語。
そんなことにもくじけない人もいるけれど、普通の人はそこまで強くない、心が折れてしまっても仕方がないと。
もちろん、だからと言って他人を殺していいというわけじゃないけれど・・・

彼は孤独で、
収入は少なくとも自分の夢に近い仕事を続けたかった。
自分の話を聞いてくれる人が欲しかった。
会ったことのなかった父親にひと言優しい言葉をかけてもらいたかった。
そして、母親だけには愛されているという思いが心の支えだったに違いない。

どれも、ささやかな願いだった。
それらがことごとく打ち砕かれてしまったとき・・・
彼は世の中に自分の存在を否定されたと感じた。

そして、クライマックスで暴動者達に「悪のヒーロー」として
祭り上げられたときの彼の表情が印象的
初めて自分の存在を認められたという、得も知れぬ満足感であり、高揚感であったのだろう。

このときの気持ちがその後の彼の行動につながったのか!
ものすごい納得感を得た。
そこに唯一自分が存在する存在価値があると、思えてしまったのだ。



そういう納得感を持たせるストーリー展開、演出も素晴らしいが、
それを観客に実感させているのは何と言っても、主演のホアキン・フェニックスだ。その演技は見事だ。孤独、悲哀、絶望、かすかな喜び、高揚を表す表情も見事だし、動作ひとつひとつの表現力がまた素晴らしい。 
例えば走り方。特に後半母親の過去の診療記録を奪って逃げる姿は鳥肌もの。そこには喜劇と狂気、その両方が自然と伝わって来る。


ちなみに、登場は多くないが、アーサーが出演するコメディーショーの司会役でロバート・デ・ニーロが登場。 彼のアーサーとのやり取りが絶妙。こんな司会者だったら誰でも笑いを取れそう。さすがはデ・ニーロと感嘆。




感動とか、モラルとかの範疇を越えた、
人の弱さ、哀れ、みじめさ、・・・ 言いよう無いネガティヴな側面を見せられ、心をえぐられる凄い映画。

今年指折りの傑作。
観賞を強くおススメ。





【予習の必要性】
バットマンとなるブルース・ウエインの少年時代は出て来るが、バットマンは出て来ないので、“バットマン”詳細に知る必要はないが、やはりジョーカーが後にどうなるか知らないと、ラストも響いてこない。なので、ジョーカーの存在を知らない方はビデオ鑑賞されてからの観賞をおススメ。歴史の古い“バットマン”は様々なシリーズがあるようだが、名作の誉れ高く、最新の“ダークナイト”がおススメ。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 不気味
  • 恐怖
  • 知的
  • 絶望的
  • 切ない
  • コミカル
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