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上映中

マーウェン (2018)

WELCOME TO MARWEN

監督
ロバート・ゼメキス
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3.47 / 評価:105件

解説

心身に傷を負いながらもカメラマンとして認められた男性の実話を、ロバート・ゼメキス監督が映画化したヒューマンドラマ。リンチを受けて後遺症に苦しむ主人公が、フィギュアの撮影を通して再生していく姿を描き出す。主演を『フォックスキャッチャー』などのスティーヴ・カレルが務め、レスリー・マン、ダイアン・クルーガー、メリット・ウェヴァーらが共演を果たした。

シネマトゥデイ (外部リンク)

あらすじ

マーク・ホーガンキャンプ(スティーヴ・カレル)は、5人の男に暴行され、9日間の昏睡状態から目覚めたときには自分の名前がわからず、満足に歩くこともできなくなっていた。脳の障害とPTSDを負ってセラピーを受けられないマークは、リハビリのためにフィギュアの撮影を始める。自宅の庭に第2次世界大戦時の村という設定のミニチュアを作って撮ったフィギュアの写真が評価されるようになり、やがてマークは暴行事件の裁判で証言することを決める。

シネマトゥデイ (外部リンク)

映画レポート

(C)2018 UNIVERSAL STUDIOS
(C)2018 UNIVERSAL STUDIOS

「マーウェン」現実と虚構をVFXで融合させる名手、R・ゼメキスが出会った箱庭の心象風景

 ヘイトクライム被害者の痛ましくもユニークなサバイバルの実話に基づいて劇映画化された、凝った映像が特別な感興を呼び覚ます異色作だ。戦後生まれで従軍経験のあるイラストレーターのマーク・ホーガンキャンプが、地元のバーで異性装の趣味があることを若者5人に明かしたところ、店の外で彼らから襲撃され瀕死の重傷を負う。脳の障害により成人後の記憶をほぼ失い、手の震えとPTSDで仕事ができず、公的補助も打ち切られる。そこでマークは自己流のセラピーを編み出す。自分や友人たちに似たアクションフィギュアとバービー人形を買い集め、第二次大戦下ベルギーの架空の村を舞台に、自らを投映したホーギー大尉と女性闘士たちがナチス親衛隊と日々戦いを繰り広げる姿を写真に収めていったのだ。

 不思議な魅力を放つマークの写真は評判を呼び、ニューヨークで個展が開かれるまでになり、そうした経緯を収めたドキュメンタリー「Marwencol」がテレビ放映される。それを偶然目にしたのが、「永遠に美しく…」「フォレスト・ガンプ 一期一会」で90年代ハリウッドのCG視覚効果による映像革命を、ジェームズ・キャメロンやスティーブン・スピルバーグとともに牽引したロバート・ゼメキス監督。「ポーラー・エクスプレス」(04)以降の3作でモーションキャプチャー(モーキャプ)によるフルCGアニメを追求したゼメキスは、マークの写真の背景にある想像力豊かな物語を、得意の視覚効果を活用して映像化することを思い立つ。かくして、マーク(スティーブ・カレル)が困難を抱えながら懸命に生きる日々と、架空の村マーウェンで起きるスペクタクルがシームレスに交錯するヒューマンドラマと相成った。

 本作の白眉はやはり、俳優たちをモーキャプしてからフィギュアのルックにCG描画されたキャラクターたちが、戦闘やロマンスを繰り広げるマーウェンでのシークエンスだろう。マークによるマーウェンの創造は、箱庭療法にも似てミニチュアの空間に自らの心象を投映した物語を構築する行為であり、再び大人になり自己を回復するための通過儀礼でもある。それが実写で映像化された世界は、観る者を童心に返らせ、ノスタルジーを喚起する。

 ゼメキスと共同で脚本を書いたのは、「シザーハンズ」などティム・バートン監督作品の脚本でも知られるキャロライン・トンプソン。知的障害のあるイノセントな主人公と周囲との人間模様といった点で、「フォレスト・ガンプ 一期一会」を想起させる語り口になっている。さらに終盤では、ゼメキスの別の代表作と“時空を超えて”つながる驚きの展開があり、監督のファンなら胸を熱くすること間違いなし。万人受けは難しいかもしれないが、切実に救いや癒しを求める層から静かな共感を呼びそうな映画だ。(高森郁哉)

映画.com(外部リンク)

2019年7月18日 更新

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