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君がいる、いた、そんな時。 (2019)

監督
迫田公介
  • みたいムービー 8
  • みたログ 16

3.64 / 評価:14件

爽やかな気持ちが強く残る映画

  • wat***** さん
  • 2020年9月28日 22時33分
  • 閲覧数 141
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

3人の主人公はそれぞれ複雑な問題を抱えている。
フィリピン人と日本人のハーフである岸本は学校内外でクラスメートからいじめを受けている。
放送係の香山は、普段は明るく振舞っているが家庭内でネグレクト、DVを受けている。
新任司書の山崎祥子は太陽の様に岸本と香山を包み込むが
実は不倫の末、未婚で子供を授かったが、生まれてすぐに子供を亡くしている。

などなど、美しい広島の呉の街並みの描写の中、
重苦しいテーマが次々と明らかになっていく。

ハーフ少年岸本のいじめは誰の目から見てもわかりやすいものである。
一方、香山と祥子の問題は表面に出ておらず、はじめのうちはその事実に誰も気づいていないが、
物語が進むにつれてそれぞれが抱える問題が段々と浮き彫りになっていく。

3人はどこかギリギリのところで、心の深い所に踏み込ませないような警戒心を持っている。
自分の弱い部分を見せまいとする一種の強がりのように僕は見えた。

映画を鑑賞しながら、この物語は一体どんなところに着地して行くのだろうと、
固唾を飲んで見守っていた。
特に祥子。子供を無くした悲しみを受け入れることができずにいる。その悲しみは計り知れないと思う。
彼女を救うことができるものなどあるのだろうか、と考えたりした。

物語終盤になり、岸本と香山の身を挺した行動によって、
感情を殺してずっと泣くことができなかった祥子は泣くことができた。
人を助けられるのは人なんだなと思った。

ラストシーンで3人が「おかえり」「ただいま」と言葉を交わすシーンがある。それでも生きていくんだという決意表明のように聞こえた。
3人を取り巻く現実は何も変わっていないが、それでも強く生きていくんだという。

この映画を鑑賞するにあたっては不思議な巡り合わせがあった。
熊本県の本渡第一映劇で、舞台挨拶で来熊されていた迫田監督と、偶然にお会いし、声をかけて頂いた。
それがきっかけで、本作と出会うことができた。

幸運なことに僕は舞台挨拶にも同席することができた。
監督が本作を作り上げるまでにくぐり抜けた過程や、苦悩を知ることができた。
舞台挨拶中、なんども涙ぐみながら本作についての思いを語っておられた。
監督自身うつ病を患いそれを乗り越えて本作の制作に望まれたということもあり、ある意味で執念のような思いを感じた。

ぜひたくさんの人にみて欲しい映画。
見る人に暖かい光を灯してくれると思う。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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